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第43回 16年11月更新

育児・介護休業法改正と会社の対応 ~その4 育児介護休業規程の改正ポイント~

これまで3回にわたって、平成29年1月1日施行の「育児介護休業法」と「男女雇用機会均等法」の法改正について解説をしてきました。
企業は、法改正に伴い社内書式や規程の変更を行う必要があります。今回は、法改正により改定が必要な条文の改定例を紹介していきたいと思います。
改正点については、条文にアンダーラインを引いています。各社の規程にあわせ、上手に取り入れてください。
法改正の具体的な解説については、前回までの「その1~その3」までのコラムを参照ください。

<有期契約労働者の育児休業の取得要件の緩和>

(育児休業の対象者)
「改正前」
1.育児のために休業することを希望する従業員(日雇従業員を除く)であって、1歳に満たない子と同居し、養育する者は、この規程に定めるところにより育児休業をすることができる。ただし、期間契約従業員にあっては、次項に定める者に限り、育児休業をすることができる。
2.育児休業ができる期間契約従業員は、申出時点において、次のいずれにも該当する者とする。
1)入社1年以上であること。
2)子が1歳に達する日を超えて雇用関係が継続することが見込まれること。
3)子が1歳に達する日から1年を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと。

「改正後」
1.育児のために休業することを希望する従業員(日雇従業員を除く)であって、1歳に満たない子と同居し、養育する者は、この規程に定めるところにより育児休業をすることができる。ただし、期間契約従業員にあっては、次項に定める者に限り、育児休業をすることができる。
2.育児休業ができる期間契約従業員は、申出時点において、次のいずれにも該当する者とする。
1)入社1年以上であること。
2)子が1歳6か月になるまでに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと。

<有期契約労働者の介護休業の取得要件と対象になる家族の条件の緩和>

(介護休業の対象者)
「改正前」
1.要介護状態にある家族を介護する従業員(日雇従業員を除く)は、この規程に定めるところにより介護休業をすることができる。ただし、期間契約従業員にあっては、申出時点において、次のいずれにも該当する者に限り介護休業をすることができる。
1)入社1年以上であること。
2)介護休業開始予定日から 93日を経過する日(93日経過日)を超えて雇用関係が継続することが見込まれること。
3)93日経過日から1年を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと。
2.要介護状態にある家族とは、負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態にある次の者をいう。
1)配偶者
2)父母
3)子
4)配偶者の父母
5)祖父母、兄弟姉妹または孫であって従業員が同居し、かつ、扶養している者
6)上記以外の家族で会社が認めた者

「改正後」
1.要介護状態にある家族を介護する従業員(日雇従業員を除く)は、この規程に定めるところにより介護休業をすることができる。ただし、有期契約従業員にあっては、申出時点において、次のいずれにも該当する者に限り、介護休業をすることができる。
1)入社1年以上であること。
2)介護休業開始予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと。
2.この要介護状態にある家族とは、負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態にある次の者をいう。
1)配偶者
2)父母
3)子
4)配偶者の父母
5)祖父母
6)兄弟姉妹
7)孫
8)上記以外の家族で会社が認めた者

<介護休業の分割取得>

(介護休業の期間等)
「改正前」
1.介護休業の期間は、対象家族1人につき、原則として、要介護状態ごとに1回、93日間の範囲内で、介護休業申出書に記載された期間とする。ただし、同一家族について、異なる要介護状態について介護休業をしたことがある場合または第○条に規定する介護短時間勤務の適用を受けた場合は、その日数も通算して93日間までを原則とする。
2.前項にかかわらず、会社は、育児・介護休業法の定めるところにより介護休業開始予定日の指定を行うことができる。
3.従業員は、介護休業期間変更申出書により、介護休業を終了しようとする日(以下「介護休業終了予定日」という。)の2週間前までに人事部に申し出ることにより、介護休業終了予定日の繰下げ変更を行うことができる。この場合において、介護休業開始予定日から変更後の介護休業終了予定日までの期間は通算93日(異なる要介護状態について介護休業をしたことがある場合または第○条に規定する介護短時間勤務の適用を受けた場合は、93日からその日数を控除した日数)の範囲を超えないことを原則とする。
4.介護休業期間変更申出書が提出されたときは、会社は速やかに当該介護休業期間変更申出書を提出した者に対し、介護休業取扱通知書を交付する。
5.次の各号に掲げるいずれかの事由が生じた場合には、介護休業は終了するものとし、当該介護休業の終了日は当該各号に掲げる日とする。
1)家族の死亡等介護休業に係る家族を介護しないこととなった場合
当該事由が発生した日(なお、この場合において本人が出勤する日は、事由発生の日から2週間以内であって、会社と本人が話し合いの上決定した日とする。)
2)申出者について、産前産後休業、育児休業または新たな介護休業が始まった場合
産前産後休業、育児休業または新たな介護休業の開始日の前日
6.前項第1号の事由が生じた場合には、申出者は原則として当該事由が生じた日に人事部にその旨を通知しなければならない。

「改正後」
1.介護休業の期間は、対象家族1人につき、原則として、通算93日間の範囲内で、介護休業申出書に記載された期間とする。ただし、取得回数は、対象家族1人につき3回までとする。なお、介護休業の申出を2回連続して撤回した者については、当該家族について再度の申出をすることはできない。
2.前項にかかわらず、会社は、育児・介護休業法の定めるところにより介護休業開始予定日の指定を行うことができる。
3.従業員は、介護休業期間変更申出書により、介護休業を終了しようとする日(以下「介護休業終了予定日」という。)の2週間前までに人事部に申し出ることにより、介護休業終了予定日の繰下げ変更を行うことができる。この場合において、介護休業開始予定日から変更後の介護休業終了予定日までの期間は通算93日の範囲を超えないことを原則とする。
4.介護休業期間変更申出書が提出されたときは、会社は速やかに当該介護休業期間変更申出書を提出した者に対し、介護休業取扱通知書を交付する。
5.次の各号に掲げるいずれかの事由が生じた場合には、介護休業は終了するものとし、当該介護休業の終了日は当該各号に掲げる日とする。
1)家族の死亡等介護休業に係る家族を介護しないこととなった場合
当該事由が発生した日(なお、この場合において本人が出勤する日は、事由発生の日から2週間以内であって、会社と本人が話し合いの上決定した日とする。)
2)申出者について、産前産後休業、育児休業または新たな介護休業が始まった場合
産前産後休業、育児休業または新たな介護休業の開始日の前日
6.前項第1号の事由が生じた場合には、申出者は原則として当該事由が生じた日に人事部にその旨を通知しなければならない。

今回は、育児休業と介護休業に関する部分についての規程の改定例を紹介いたしました。次回は、子の看護休暇や介護休暇、新設された介護のための所定外労働の制限等に関する部分の改定例を紹介したいと思います。

 

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著者プロフィール(川島孝一氏)

(有)アチーブコンサルティング代表取締役、(有)人事・労務チーフコンサル タント、社会保険労務士、中小企業福祉事業団幹事、日本経営システム学会会員。
1966年、東京都大田区生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、サービス業にて人事 ・管理業務に従事後、現職。クライアント先の人事制度、賃金制度、退職金制度 をはじめとする人事・労務の総合コンサルティングを担当し、複数社の社外人事 部長・労務顧問を兼任する。経営者の視点に立った論理的な手法に定評がある。

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