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第32回 21年09月更新

特別損失に関する会計処理

今回は、「特別損失」の会計処理について解説いたします。

特別損失とは?

特別損失とは損益計算書の特別損益に表示される損失で、「突発的に本来の事業活動以外で発生した損失」と定義されます。例えば自然災害などの様に、今期限り発生する突発的なものを計上します。また、特別損失として処理する場合は、一般的には金額が巨額である必要もあります。

企業会計原則注解12には次のような例があります。

  • 不動産などの固定資産売却損や固定資産除去損
  • 長期間保有している株式や証券売却による売却損
  • 火災や自然災害、盗難などによる損失

具体例

ここでは、貸倒損失を計上する場合の表示区分を例示します。

1、売掛債権の貸し倒れの場合
本業に関わるもののため、販売費および一般管理費の区分の計上することになります。

2、本業とは直接関係しない資産(貸付金など)が回収不能になったこと場合
本業に関わらない費用のため、営業外費用として処理をします。

3、通常では考えられないような規模での貸倒れが生じた場合
金額が臨時かつ巨額である場合には、特別損失として処理します。

仕訳例

(例1)取得価額2000万円(帳簿価額1100万円)の機械装置を330万円(税込み)で売却し、引き取り費用11万円(税込み)を差し引かれ、入金された。

(借方)                  (貸方)

普通預金       3,190,000        機械装置     20,000,000
減価償却累計額  9,000,000                仮受消費税等        300,000
固定資産売却損  8,100,000
(特別損失)
仮払消費税等    10,000

固定資産の売却価額が帳簿価額を下回ったときは、固定資産売却損を計上します。固定資産売却損は、毎期継続的に発生するものではないので、臨時損失として特別損失に計上します。また、引取費用等の譲渡費用は、固定資産売却損に含めて処理します。

税務上の取り扱い

特別損失は、(販売費および一般管理費や営業外費用と同様に)費用であることに違いはなく、法人税の税金の計算だけを考えれば表示区分がどこに該当しても関係はありません。ただし、金融機関の与信調査においては営業利益が用いられることも多く、その場合、本来であれば特別損失(又は営業外費用)として計上されているべき費用が誤って販売費及び一般管理費で処理されてしまっていると、それだけ与信力が低く算定されることになります。表示区分はしっかりと確認して正確に計上することが大切です。

 

以上 特別損失について取り上げました。
なお、いくら以上で金額が巨額と判断されるかは法人の規模によっても異なりますので、監査法人等の意見を踏まえつつ、処理するようにしてください。

著者プロフィール(石田昇吾氏)

クライサー税理士法人 代表 亀戸本店所長 http://www.ishida-tax.net/
明治大学付属明治高等学校、明治大学商学部産業経営学科を卒業。
在学中から税理士を目指し、都内の税理士法人にて、税理士業務全般に従事。
平成23年に石田税務会計事務所を開設。
平成28年より税理士法人化し、名称をクライサー税理士法人へと変更する。
財務面と経営者の視点の両方を兼ね揃えた提案に定評があり、顧問先にじっくりと向き合ったサービスを提供している。
また、仮想通貨に関連する税務業務にいち早く取り組んでおり、独自のサービスも展開している。
(https://www.bitcoin-tax-taisaku.com/)

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