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第17回 15年08月更新

報奨金の現金支給や現物給与

給与の一部を現金で支給した場合

社員に対するインセンティブとして、成績優秀者に対する報奨金や特別賞与などを表彰式で現金支給することがあります。通常の給与とは別に現金支給したこれらの報奨金も、給与所得としての課税処理が必要です。
処理方法は、先に現金で支払っているので、給与計算の時に所得税等を控除します。
最も判り易い方法は、支給欄の中に「報奨金」等の項目を作成し、課税対象かつ雇用保険の対象になるように設定します。また、控除欄に「その他控除」等の項目を作成し、この両方に現金支給をした金額を計上します。
これにより、現金支給分も含めた金額で雇用保険料と所得税が計算されます。そして、すでに現金で支給した同額を「その他控除」等で差し引くことで、現金支給に対する雇用保険料と所得税の精算ができたことになります。

厳密には、この報奨金や特別賞与などが、「給与」にあたるか、「賞与」にあたるかで、社会保険料や所得税の計算方法が変わってきます。上で説明したのは、給与扱いで計算した場合です。
賞与扱いになる場合は、報奨金や特別賞与などを単独で支給したものとして、社会保険料や雇用保険料、所得税を計算する必要があります。すでに全額を現金で支給していますので、単独で計算したこれらの控除金額を本人から徴収するか、現金支給額がちょうど手取り額になるように、総支給額を調整(加算)しなければなりません。
「給与」と「賞与(*1)」のいずれかにあたるかは、給与規程等でその報奨金や特別賞与をどのように定めているかによります。

(*1)賞与の定義
健康保険法・厚生年金保険法上の賞与の定義は、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるもののうち、年3回以下の支給のものをいいます。なお、年4回以上支給されるものは標準報酬月額の対象とされ、また、労働の対償とみなされない結婚祝金等は、対象外になります。

現物給与にあたる場合

通常、給与は金銭で支給されますが、食事や商品の値引販売などのように物品で支給されるケースがあります。具体的には次のようなケースが考えられます。
1)物品その他の資産を無償または低い価額により譲渡したことによる経済的利益
2)土地、家屋、金銭その他の資産を無償または低い対価により貸し付けたことによる経済的利益
3)福利厚生施設の利用などの用役を無償または低い対価により提供したことによる経済的利益
4)個人的債務を免除または負担したことによる経済的利益

これらの経済的利益を一般に「現物給与」といい、原則として給与所得の収入金額とされます。たとえば、昼食を会社が無償で提供する場合は、1)に該当することになります。ただし、現物給与はかならず課税対象になるわけではありません。本人が一定額や一定割合以上を負担している場合などは、会社が負担した残りの部分も課税されません。

レクリエーション旅行や研修旅行

成績優秀者に対して、現金を支給するのではなく、旅行に招待するといったケースもあります。また、最近は減ってきているようですが、親睦を兼ねて社員旅行を行うこともあるでしょう。
従業員のレクリエーション旅行や研修旅行を行った場合、会社が負担した費用が参加した人の給与として課税される場合があります。

社員旅行の場合は、1)旅行期間が4泊5日を超える場合、または2)参加者がその職場の5割に満たない場合は、会社が負担した費用が課税対象になります。

また、研修旅行の場合は、会社の業務を行うために直接必要であれば給与として課税されませんが、直接必要でない内容のときは課税対象になります。
研修旅行の費用に両者が混在している場合には、直接必要でない部分の費用が参加者の現物給与として課税されます。
例えば、次のような研修旅行は、原則として、会社の業務を行うために直接必要なものにはなりません。
1)同業者団体の主催する、主に観光旅行を目的とした団体旅行
2)旅行のあっせん業者などが主催する団体旅行
3)観光渡航の許可をもらい海外で行う研修旅行

現金支給や現物給付をした場合は、ケースによっては、後から税金等を徴収しなければならなくなることがあります。せっかく従業員に良かれと思って実施したことが、後で税金等を徴収することで、かえってモチベーションの低下につながってしまうことも考えられます。
「金銭ではないから」と安心せず、少しでも疑問がある場合は、行政機関や専門家に確認するようにしましょう。

 

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著者プロフィール(川島孝一氏)

川島孝一氏が「日本の人事部」に寄稿したコラムのバックナンバーを掲載します

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