東京建物株式会社様
会社名 | 東京建物株式会社 Tokyo Tatemono Co., Ltd. |
創立 | 明治29年(1896年)10月1日 |
代表者 | 代表取締役 社長執行役員 野村 均 |
主要事業 | オフィスビル・商業施設等の開発、賃貸及び管理 マンション・戸建住宅の開発、販売、賃貸及び管理 不動産の売買、仲介及びコンサルティング、駐車場の開発・運営 リゾート事業、物流施設開発事業、資産運用事業、海外事業、不動産鑑定業 |
従業員数 | 807名(2023年12月31日現在) |
HP | https://tatemono.com/ |
「信頼を未来へ」を企業理念として掲げ、世紀を超えた信頼を誇りとし、企業の発展と豊かな社会づくりに挑戦する総合不動産会社である東京建物株式会社が、統合HCMソリューション「POSITIVE」と「人事・給与業務アウトソーシングサービス」を導入しました。
目次
東京建物株式会社は、1896年(明治29年)に旧安田財閥の創始者・安田善次郎によって設立された日本で最も歴史ある総合不動産会社です。
人事・給与・就業の業務のほぼすべてを「POSITIVE」で一元管理し、それらの業務をアウトソースする「POSITIVE×人事・給与業務アウトソーシングサービス」を導入、2024年4月に稼働を開始しました。
運用開始から約6ヶ月経ち、ひと段落したところで、東京建物株式会社 人事部 人事企画グループ 石井 崇弘様、栗山 美鈴様に本サービスについてのお話を伺いました。
Q1. 貴社の事業概要をご教示ください。
A1. 東京建物は、1896年(明治29年)創業の日本で最も歴史ある総合不動産会社です。現在、2030 年頃を見据えた長期ビジョン「次世代デベロッパーへ」を掲げ、事業を通じて「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立することで、すべてのステークホルダーにとっての「いい会社」の実現を目指しています。まちづくりにおいては、まちの歴史や文化、環境と調和し、そのまちにかかわる人びとやパートナーとともに持続的な成長を目指していく「サステナブルなまちづくり」という考えのもと、オフィスビルや住宅、商業施設、ホテル、物流施設、レジャー施設の開発運営などデベロッパーとしての幅広い事業を通じて様々な取り組みを行っています。
Q2. ご担当されている業務内容をご教示ください。
A2. 人事労務関係全般、具体的には人事制度の設計と運営・給与・福利厚生などを担当しています。
人事労務をメイン業務としているメンバーは業務経験年数が長く、担当業務に精通しています。
業務自体はスムーズに遂行できていますが、個々人のノウハウややり方に頼っている部分があるため、人事ローテーションや、万が一の急な長期休暇の際などに迅速な引継ぎができる体制作りが必要だと考えています。
そのため、引継書の作成や、システムの入れ替え、業務のアウトソーシングなど様々な方法で体制整備をしています。
Q3. 人事管理・給与業務システムのリプレイスと人事・給与業務アウトソーシングサービス導入の背景をご教示ください。
A3. 大きく分けて以下の3つの課題を解決するために、2022年3月頃から検討を始めました。
<人事管理システムと給与管理システム間のデータ連携作業>
従来の⼈事管理システムと給与管理システムは別々のシステムを使用していたため、データの登録作業が⼆度⼿間となっていた上に、データが正しく登録をされているか、読み合わせなどをして突合する必要がありました。
また、⼈事管理システムに必要な全ての情報を必要な形で登録することができず、一部の情報は紙(Excel の帳票など)で管理していたため、データ加⼯などのシステム外作業が発⽣し、業務上の負荷となっていました。
<長年利用している人事管理システムのブラックボックス化>
従来の⼈事管理システムは30 年近く利⽤してきたため、カスタマイズの繰り返しによってブラックボックス化が進んでおり、⼈事制度変更などに伴うシステム改修・帳票変更の影響がどこまで及ぶかを把握しにくい状況でした。
また、オンプレミスのシステムであるため、法改正の際には、都度カスタマイズが必要となり、改修コストの増⼤につながっていました。
データ検索の際は、どのデータから必要な項目を引っ張ればよいかなど出力用の条件を定義する必要があり、なかなか必要な情報をアウトプットすることができず、柔軟な帳票作成ができないなどの課題がありました。
<手動データ登録が必要な給与管理システム>
従来の給与管理システムは、給与の⽀払いに特化しており、必要なマスタ情報の保持やロジックを伴った各種計算処理ができませんでした。
そのため、例えば、欠勤があった場合に欠勤日数に応じた金額を別途Excelで計算・管理をして、⼿動で給与管理システムにデータ登録をする作業などが必要でした。
Q4. 鈴与シンワートを選定した理由をご教示ください。
A4. サービスの選定には8か月ほど時間をかけ、熟考を重ねました。
最初はざっくりとした要件を満たす約10製品から検討を開始し、最終的には5製品に絞り、弊社が求めるシステム要件に対する適合度が高い鈴与シンワートの提案を選定しました。
おおまかな要件としては以下の4つを挙げていました。
①人事・労務情報、給与情報、組織情報の一元管理
②人事・給与業務に関して一体的な業務運用ができるシステムの構築
③従業員向けサービスのレベルを向上するため、紙の各種申請業務をシステム化すること
④BPOサービス導入による業務負荷の低減
「POSITIVE」は、一定程度のカスタマイズが可能であり、かつアウトソーシングにも柔軟性がある点を評価しました。
将来新しい帳票や機能などを追加する際や、さらにアウトソースする業務範囲を拡大する際にスムーズに対応いただけることも期待しています。
また、システム導入とアウトソーシングを同一企業で対応するという提案は鈴与シンワートだけであり、安心感がありました。
Q5. 今後期待している導入効果と実際に導入した効果をご教示ください。
A5. 注力している業務でも挙げた「労務関連業務の体制整備」の一環として、担当者の習熟度に左右されない安定した持続性の高い給与支払い業務が可能となることや、給与/人事労務関連メンバーの人事ローテーションのハードルが下がることを期待しています。
「POSITIVE」で情報を登録・整理することで、各担当者の通常業務から突発的な業務まで可視化されることも期待しています。
また、人事・給与・就業をほぼすべて「POSITIVE」で一元管理するため、従来別々のシステムを利用していたためにかかっていた業務コストの低減を期待しています。
実際に導入した効果は、給与業務をアウトソースしたおかげで、月初の給与業務が大変楽になりました。
全社員分の給与の読み合わせも社内で実施する必要がなくなり、データ不備の連絡を受けた際だけ内容の精査と確認をしています。
時間に余裕ができ、通常業務により多くの時間を使えるようになりました。
Q6. 鈴与シンワートの評価についてご教示ください。
A6. 常に弊社の要望の把握に努め、その要望に対して真摯に対応していただけたと感じております。
開発時に弊社に常駐し、システムを構築していただいたことで密なコミュニケーションができて、相互理解がぐっと進んだと思います。
リリース直前に急遽、就業システムの仕様変更をお願いしましたが、限られた期間内で「できること」「できないこと」を整理してくださったので、「最優先したいこと」「リリース後の対応でも良いこと」など優先順位を決めることができました。
最後まで粘り強くご対応いただいたおかげで、混乱なく導入することができました。
製品の仕様上、標準機能では実現できないことはありましたが、「費用をかければできる」「費用をかけなければこんな対応ができる」などの提案をいただきながら進めることができたことも助かりました。
また、システム導入とBPOサービスをお願いしているので、極力担当者と思われる方に問い合わせをするようにしていますが、担当部署が違った場合でも、社内連携をして回答くださるので、シームレスな対応だと感じています。
Q7. 鈴与シンワート営業担当の評価はいかがでしょうか。
A7. 「POSITIVE」とBPOサービスの営業担当のおふたりとも、迅速な対応をいただけました。
依頼した内容を丁寧に理解・認識した上でご回答いただけるので、無駄がなくスムーズなやり取りができました。
弊社側から提出するものが遅れた際も、催促をしていただけたので無事予定通りのリリース日を迎えることができました。
Q8. 運用フェーズに入ってからの評価はいかがでしょうか。
A8. 常に迅速に対応していただいており、大変ありがたく思っています。
要件定義から構築、導入まですべてのフェーズに携わっていただいていたおかげで、想定よりもスムーズに運用に入れたと感じています。
リリースしてから、約半年が経過しますが、従業員からのシステムリプレイスを要因とする問い合わせはほとんどありません。
Q9. 今後、鈴与シンワートに期待すること
A9. まだまだ人事労務関連業務で改善余地があると感じており、それを鈴与シンワートのサービスで対応できる部分が大きいと考えています。
例えば、現在は登録作業をアウトソースするにあたり、いただいたExcelのフォーマットに情報を入力した台帳をお渡ししていますが、台帳ではなく社内資料をそのままお渡しできるようにすれば、よりシームレスになると思っています。
そのためには、弊社側でも「POSITIVE」に合うフォーマットに見直したり、入力ルールを決めたりする必要があります。
「POSITIVE」やBPOサービスで対応可能な業務など、更にコミュニケーションを取りつつ、一緒に業務プロセス改善に向けて取り組んでいただけると幸いです。