山田隆司
第03回  投稿:2015.09.30 / 最終更新:2018.11.09

「助成金を活用した従業員の教育訓練」

今回は番外編ということで親交のある大塚社労士事務所 特定社会保険労務士 大塚隆裕先生のコラムをご紹介します。

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「助成金を活用した従業員の教育訓練」

雇用の安定、職場環境の改善、従業員の能力向上、仕事と家庭の両立支援など様々な施策を行った企業に対して支給されるのが
「雇用関係の助成金」です。助成金には様々なものがありますが、今回は「キャリアアップ助成金」を取り上げてみます。
キャリアアップ助成金は、以下の6つのコースに分かれていて、それぞれ内容が異なります。

① 正規雇用等転換コース
② 多様な正社員コース
③ 人材育成コース
④ 処遇改善コース
⑤ 健康管理コース
⑥ 短時間労働者の週所定労働時間延長コース

この中でも注目したいのは、③の「人材育成コース」です。ここでいう“人材育成”とは、正社員としての経験の少ない
新規雇用者やパートタイマーなどとして既に雇用している方等に対して、正社員として必要な職業能力を習得させるために、
社内・外で教育訓練(「有期実習型訓練」といいます。)を行うことをいいます。訓練期間は3~6ヶ月間を会社が自由に
設定できます。この有期実習型訓練を行うことで受給できる助成金は、以下のとおりです。

※1年度1事業所当たりの支給限度額は500万円
※( )内は大企業の場合

ここで、OJT(On-the-Job Training)とは、上司や先輩が“実際の業務の中で”行う実践的な指導のことをいいます。
また、Off-JT(Off-the-Job Training)とは“実際の業務から離れて”行う座学や実技のことをいいます。
自分の会社の正社員としての知識やスキルが無くても、やる気があれば育ててみようと考える経営者も少なくありません。
むしろ、中途採用の際には、同業他社での習慣や癖などがあって指導しにくいといった声もあるくらいです。
新入社員等としても、経験のない職種だからこそ、一からしっかりと学ぶ姿勢がある場合が多いのです。ある調査によると、
中途採用者も含めた新入社員は、「自分を育成してくれる会社」「自分のスキルアップができる会社」に
とても魅力を感じているようです。
企業が人材育成コースを利用する主なメリットとして、以下のようなものが挙げられます。

① 助成金を受給できる。
② 体系的な職業訓練を行うことで、自社の人材育成や研修体制を構築することができる。
③ 講師となる社員が自分のスキルを見直すきっかけとなる。

① 人材を育てるのにはそれなりのお金がかかるものです。助成金という形で人件費の一部を賄えるのはとてもありがたいことです。
このような制度を有効に活用したいものです。
② OJTとOff-JTを組み合わせて教育することで、知識や技術を身に付ける時間が大幅に短縮できると言われています。
OJTとOff-JTの項目を関連付けて訓練カリキュラムを作成することにより、社会人経験やその業界での経験の少ない方に効率よく
仕事を覚えてもらうことができると考えられます。また、このような訓練カリキュラムを一度作成すれば、その後に入社してくる新入社員等に対して一定のレベルで同じ内容の教育訓練を行うことが可能になります。
③ 新入社員等の上司や先輩社員にOJTやOff-JTの教育訓練を担当させると、「間違ったことは教えられない」「先輩としてしっかりしたところを見せたい」という思いから、仕事の段取りや内容について見直すきっかけとなっているようです。
新入社員等の教育もさることながら、同時に上司や先輩社員のスキルも一段上がったと言う声も少なくありません。

助成金を利用しようとすると、多くの書類や様々な要件があり面倒なことも事実です。しかしながら、助成金を利用するために行う準備を通して、社内の労働環境を見直したり、人材教育制度を構築したりと、普段はなかなか手をつけることのない重要な課題に取り組むきっかけとなるのではないでしょうか。

本コラムの執筆者:
大塚社労士事務所
特定社会保険労務士 大塚隆裕 氏

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