野田宏明
第10回  投稿:2015.07.26 / 最終更新:2018.11.09

マイナンバーの本人確認 現実的な運用とは

10月のマイナンバーの通知まで残り3ヶ月を切りました。規定の整備やシステム対応などに着手し始めた企業も多いのではないでしょか。今回は個人番号取得時の本人確認について、「実際のところどうすればいいの?」というところをテーマにしたいと思います。

ご存知の通り、個人番号の取得時には厳格に本人確認を行うことが義務付けられています。本人確認に利用できる書類は、番号法の規定や国税庁の告示にある通り、非常に多くの種類があります。企業としては現実的な業務運用についてこれから具体化をしなければいけないというところでしょう。
本人確認には「番号確認」と「身元確認」が必要です。番号確認は個人番号が記載されている書類になるため、通常は「個人番号カード」、「通知カード」、「(個人番号付きの)住民票」にて確認することとなります。
一方で身元確認については、多くの書類がその確認に利用できます。ただ、現実的には人事総務部門として業務を効率化できるよう、社内運用としてなるべく単純化したいところです。
通常のパターンであれば、原則として個人番号カード(平成28年1月以降)、運転免許証、パスポートのいずれかで確認することになります(身体障害者手帳、在留カード等でも可)。これらのいずれもお持ちでない場合は、例えば健康保険証と住民票の2点の書類の組み合わせにより確認するのが分かりやすいでしょう。
気にしないといけないのは学生アルバイトです。運転免許証やパスポートを持っていないケースも多いと想定されますが、その場合は学生証を本人確認に利用するのが良いでしょう。写真付きの学生証であれば、それ単体で身元確認が完了します。写真付きでない場合は2点の書類と合わせることになりますが、例えば健康保険証や住民票などと合わせて確認するのであれば、それほど難しくはないと思います。
通常パターンであればこれらの書類でほとんどが対応可能かと思います。もし準備できない場合はその他の書類にて個別に対応とします。

ちなみに、本人確認については「雇用関係にあるなど人違いでないことが明らかと個人番号利用事務実施者が認めるときは、身元(実存)確認書類は要しない」という規定もあります。この「個人番号利用事務実施者が認めるとき」とは、「既に番号法等に規定するレベルでの身元確認が完了している」ということです。雇用契約時に番号法等と同等の身元確認ができていないのであれば、初回収集時の身元確認は必要になりますのでご注意下さい。
しかし、2回目以降の収集においては、既に身元確認が一度済んでいるため、身元確認書類は不要とすることが可能です。知覚することで(つまり顔を見て)本人であると確認すれば身元確認書類は省略することが可能となります。
従業員数が多い場合や支店や店舗の管理者に個人番号を扱わせたくない場合、対面での本人確認は難しくなります。このような場合、例えば以下のような対応方法をとることが可能です。

① 個人番号の提供を依頼する書面を活用した本人確認
従業員に対して個人番号の提供を依頼する書面を送付し、従業員がその書面に通知カードや個人番号カードの裏面の写しを貼付して返送する方法です。通知カード等の写しで番号確認を行うとともに、依頼書類に印字した住所及び氏名と貼付されている通知カード等の写しの住所及び氏名が同一であることを確認することにより、身元確認を行います。
これは個人番号の事務を委託する場合には有効な方法かもしれません。初回の収集時においても、会社は入社時に身元確認のみを行い、番号確認についてはこの方法を利用して委託先にて対応するということも可能でしょう。そうすれば、企業は番号を扱うことがなく、委託先も身元確認の手間が省けます。

② 社内ネットワークを利用した本人確認
社内ポータルを活用して本人確認を行う方法です。年末調整の申告に社内のWEBシステムを活用している企業も多いかと思います。その際、事業者が本人確認の上で従業員に対して発行した従業員固有のログイン用ユーザーID及びパスワードによりログイン認証することで身元確認を行うことが可能です。
扶養控除等異動申告書等に入力された個人番号の番号確認については、会社が保有している特定個人情報ファイルの内容と一致しているかの確認を行います。この方法であれば、本人の番号確認や身元確認のための書類の添付は不要となります。

扶養控除等異動申告書など本人が記載する年末調整関係の申告書は、毎回、本人による個人番号の申告が必要です。つまり、企業は毎年、個人番号の取得と確認が必要になるのです。初回の収集をどのように行うかも重要ですが、その後の運用についても効率良く対応できるよう検討が必要です。

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