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第25回 20年07月更新

役員賞与に関する法人税および消費税の取扱に関する処理①について

今回は、役員賞与に関する法人税および消費税の取扱に関する処理①について解説いたします。

1、法人税の扱い

役員に対する賞与は、税法上は、損金不算入とされます。役員に対する賞与を利益調整で使わせないためです。

・定期の給与→役員報酬で損金算入
・臨時の給与→役員賞与で損金不算入

定期の給与とは、あらかじめ定められた金額を規則的に継続して支給されるものをいうこととされています。このため、役員の個人的都合、あるいは会社の資金繰り等によって、役員の給料の額が月によって異なるときは、その一部が賞与とされてしまうのです。なお、取締役営業部長や取締役工場長のような使用人兼務役員の場合、その使用人部分の賞与は損金の額に算入することができます。

2、消費税の扱い

賞与も給与の一種ですから、課税仕入には該当しません。したがって仕入税額控除の対象にはなりません。

3、仕訳例

役員に賞与として500,000円を支給した

役員賞与(賞与) 500,000 普通預金  470,110

預り金(源泉所得税) 29,890

※損金不算入のため、別表4の加算流出の処理を行ないます。

4、事前確定届出給与

1、の役員賞与を損金に算入するための手段として、「事前確定届出給与」という手法があります。「事前確定届出給与」とは、所定の時期に、確定した額の賞与を役員に対して支給する旨を事前に所轄税務署長に届出をすることで、役員賞与を損金に算入できるという制度です。
 事前確定届出給与に関する定めをした場合は、原則として、株主総会等の決議によりその定めをした場合におけるその決議をした日から1ケ月を経過する日又はその会計期間開始の日から4カ月を経過する日のうちいずれか早い日までに所定の届出書を所轄の税務署に提出する必要があります。
ただし損金として認められるのは、事前に税務署に届出をして、時期と金額が完全に一致した形で役員に賞与が支給された場合のみです。もし1日でも支給が遅れたり、金額が1円でも少なかったり(多かったり)したら法人税法に基づいて、原則としてその報酬は損金不算入となってしまいますので、ご注意ください。

5、役員に対する過大な役員報酬の損金不算入

1、の定期の給与の要件を満たしていても、役員報酬が損金に算入されないケースがあります。それは、役員報酬が過大である場合です。
「過大」とは、役員の職務・従事内容、法人の規模・利益に比べて報酬が相対的に多額である場合などです。
一律に、「いくら以上が過大である。」いう規定は存在せず、あくまでも個別判断となりますが、例えば、単なる「名義貸し役員」に対する月額の報酬は月額5万円までが適正額であるといわれています。

 

以上 役員賞与に関する法人税および消費税の取扱に関する処理①に関する経理処理について取り上げました。

著者プロフィール(石田昇吾氏)

クライサー税理士法人 代表 亀戸本店所長 http://www.ishida-tax.net/
明治大学付属明治高等学校、明治大学商学部産業経営学科を卒業。
在学中から税理士を目指し、都内の税理士法人にて、税理士業務全般に従事。
平成23年に石田税務会計事務所を開設。
平成28年より税理士法人化し、名称をクライサー税理士法人へと変更する。
財務面と経営者の視点の両方を兼ね揃えた提案に定評があり、顧問先にじっくりと向き合ったサービスを提供している。
また、仮想通貨に関連する税務業務にいち早く取り組んでおり、独自のサービスも展開している。
(https://www.bitcoin-tax-taisaku.com/)

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