S-PAYCIALコラム

S-PAYCIAL-Column

第27回 20年11月更新

生命保険に関する経理処理について(その4)

今回は、生命保険料に関する経理処理④~払済保険~について解説いたします。

1.払済保険とは

払済保険とは、生命保険の見直し方法の1つで、以降の保険料の支払いを停止し、今まで積み上げてきた解約返戻金をもとに新たな一時払いの保険に入りなおす制度です。現在、契約している保険を払済保険に変更した場合は、払済変更後の保険料を支払う必要はありません。保険期間は変更前の契約と同じですが、保険金額は減額されることになります。特約は変更とともに消滅することが一般的です。

イメージ図

払済変更前の保険金額 払済変更後の保険金額
保険金額
保険金額

 

 

2.原則会計処理方法

~旧保険契約と新保険契約の種類が異なる場合~

※解約返戻金よりも取り崩す保険料積立金(または前払保険料)が少ない場合
A社は、新型コロナウイルスによる影響で業績が急激に悪化し、定期保険を払済終身保険に切り替えた。また、払済時の定期保険の内訳は、保険積立金400万円と解約返戻金600万円である。なお、払済後の新保険は終身保険となっている。

保険積立金 6,000,000 保険積立金 4,000,000
雑収入   2,000,000

 

計算式
解約返戻金-旧保険積立金=払済保険積立金及び雑収入

<注意点>
今回の様に払済によって、定期保険から終身保険へと保険の形態が変わった場合には、変更前の資産計上額を取り崩すとともに、解約返戻金相当額を保険料積立金として資産計上します。その際に差額がある場合には、雑収入または雑損失として益金または損金に算入します。一般的には雑収入が計上されることが多いと思います。

3.例外処理

~旧保険契約と新保険契約の種類が同じ場合~

※解約返戻金よりも取り崩す保険料積立金(または前払保険料)が少ない場合
A社は、新型コロナウイルスによる影響で業績が急激に悪化し、定期保険を払済定期保険に切り替えた。また、払済時の定期保険の内訳は、保険積立金400万円と解約返戻金600万円である。なお、旧保険と新保険は共に定期保険となっている。

仕訳なし 仕訳なし

<注意点>
払済保険に関しては、2、の経理処理が原則となっていました。ただし、税制改正により、3、の例の様に、払済後の保険が旧保険と同種である場合、2で取り上げた処理を行わなくて良いことになりました。
これらの取り扱いを踏まえて、保険料の支払いを停止する際、解約するべきか払済保険とすべきか検討するようにしてください。

以上 生命保険料に関する経理処理④に関する経理処理について取り上げました。

著者プロフィール(石田昇吾氏)

クライサー税理士法人 代表 亀戸本店所長 http://www.ishida-tax.net/
明治大学付属明治高等学校、明治大学商学部産業経営学科を卒業。
在学中から税理士を目指し、都内の税理士法人にて、税理士業務全般に従事。
平成23年に石田税務会計事務所を開設。
平成28年より税理士法人化し、名称をクライサー税理士法人へと変更する。
財務面と経営者の視点の両方を兼ね揃えた提案に定評があり、顧問先にじっくりと向き合ったサービスを提供している。
また、仮想通貨に関連する税務業務にいち早く取り組んでおり、独自のサービスも展開している。
(https://www.bitcoin-tax-taisaku.com/)

バックナンバー

S-PAYCIALコラムTOPへ戻る

PAGE TOP