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第14回 15年06月更新

給与の支給日の決め方やその変更

給与の支給日をいつにすれば良いか

給与の支給日は、毎月一定期日に支払うという労働基準法の原則を守れば、具体的な日付は会社が自由に決めることができます。

それでは、支給日をいつにするのがベストでしょうか?

支給日を決めるためには、給与の締め日をいつにするかということが大きく関係します。締め日と支給日の関係を考えてみましょう。

締め日から翌月の締め日までの期間が、1回の給与計算の対象となる期間です。そして、締め日から支給日の間が、実際に給与計算の作業をする期間になります。

例えば、毎月15日締めの25日払いという場合は、16日から24日の実質9日間で給与計算の作業を終わらせなければなりません。また、給与計算を行う時期が月初や月末にかかるような場合は、お正月や年末に給与計算の作業をしなくてはならなくなるかもしれません。

このように、締め日と支給日は従業員の人数や業務の繁閑を考慮に入れて、決定する必要があります。

ひとくちに給与計算といっても、その内容は会社ごとにまったく異なります。例えば、タイムカードと勤怠システムを連動させてパソコンなどのデータとして自動的に集約される会社もあれば、手書きの出勤簿やタイムカードをひとつひとつ見ながら集計する会社もあります。また、残業等の変動する給与がほとんど発生しない会社もあれば、時給制のパートタイマーやアルバイトが従業員の大多数を占めている会社もあります。また、当然のことですが従業員が多くなれば、それだけ作業時間も必要になります。

給与を社員の銀行口座に振り込むのであれば、その振込の準備が必要になります。現金支給をしている会社であれば、給料袋に現金を正確に入れる作業が発生します。給与明細書を作ることも必要になるでしょう。これだけの作業を行うために必要な時間を考えた上で締め日と支給日を決めなければ、支給日に給与が支払えないということにもなりかねません。

前述した15日締め25日支給の例では、暦日数では計算期間が9日間ありますが、実務上は休日や祝日があるので、営業日で数えれば1週間もありません。特に、9月のシルバーウィークのように、曜日の配列によっては作業できる日数がほとんどないこともあります。カレンダーを見ていただければわかるように、平成27年は実質4日、平成28年にいたっては実質3日しかありません。

銀行振込みで給与を支給していて、銀行へFBデータを送信しているような場合は、支給日の2営業日あるいは3営業日前までには銀行へデータを送信しなければなりません。そうすると、物理的に給与計算をすることが不可能になることも考えられます。

特に中小企業では、給与計算を専門にしているというよりは、その他の業務も兼務で行っていることが多いと思います。忙しい時期に、わざわざ給与計算の時期が重ならないようにすることが大切です。

支給日を後から変更することは難しい

とはいえ、これから従業員を採用する会社ならいざしらず、すでに給与の締め日と支給日は決まっている会社がほとんどです。このような場合、締め日と支給日を変更することは可能でしょうか。

実務上は、締め日と支給日を後で変更することができないわけではありません。しかし、いざ変更するとなるとそう簡単なことではありません。

締め日や支給日を変更することが必要となるケースとしては、従業員が増加したり、振込処理の方法の変更により、当初の給与計算期間では時間が不足するような場合や、会社の経理処理の流れが変わったり、会社の決算期と給与締め日を合わせたい場合などがあります。

しかし、従業員は毎月決まった日に、ある程度決まった金額の収入があることを前提に生活をしています。これが変更されるということは、ローンの返済が間に合わなくなったり、生活のサイクルに大きな影響を与えます。

会社が変更を考えるケースは、基本的には締め日と支給日の間隔を広げることがほとんどですが、従業員に負担をかけずに変更するには次のような方法を検討する必要があります。

1.数ヶ月間にわけて締め日の変更を行い、極端に給与が少なくなる月をなくす。
2.賞与の支給時期に合わせて、給与の締め日や支給日の変更を行う
3.固定的な給与は従前の締め日のままとして、残業などの変動する給与の締め日だけを変更する。
4.既存の従業員の締め日は変更せず、今後採用する従業員の締め日だけを変更する。
5.休業日の前倒し支給の日数を限定し、例えば3日以上前倒しになる場合に限り、翌日支給に変更する。

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締め日と支給日の期間を短くして、できるだけ早く給与を支払うことは良いことですが、はじめから無理なく安定して支払うことができるスケジュールを立てることも重要です。

また、締め日や支給日の変更を検討する前に、勤怠システムや給与計算システムを活用して、できるだけ効率的に作業を進めていくことも、従業員の人数が増えた場合は必要になってくるでしょう。

 

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著者プロフィール(川島孝一氏)

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