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第74回 19年06月更新

1号特定技能外国人の判断基準~その1

前回より、今年4月に改正された「出入国管理及び難民認定法」と「法務省設置法」についてみてきています。前回は、新しく創設された「特定技能」とはどのような資格なのか、また、特定技能には「1号」と「2号」の2種類があることまで説明しました。
今回は、2種類のうち、「1号特定技能外国人」の判断基準を詳しくみていきたいと思います。 

特定技能1号の概要

特定技能1号の概要は、次の通りです。

特定技能1号:特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格

この特定技能1号に該当するには、相当程度の知識か経験を必要とする技能が求められます。どの程度が「相当程度」にあたるのかは、平成31年3月に法務省入国管理局が発行した「特定技能外国人受入れに関する運用要領」に記載されています。

・「特定技能1号」で在留する外国人に対しては、相当程度の知識又は経験を必要とする技能が求められます。これは、相当期間の実務経験等を要する技能をいい、特段の育成・訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務を遂行できる水準のものをいう。
・1号特定技能外国人に対しては、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有することを基本としつつ、特定産業分野ごとに業務上必要な日本語能力水準が求められる。

1号特定技能外国人が求められる基準

1)年齢について
日本の労働法制では、18歳未満の労働者に対しては特別の保護規定を定めています。そのため、特定技能外国人についても「18歳以上」であることが必要です。
申請の段階では18歳未満であっても、在留資格認定証明書交付申請を行うことはできます。ただし、日本に入国する時点では、18歳以上になっていなければなりません。
なお、母国での学歴については、特に基準は設けられていません。

2)健康状態について
当然のことですが、特定技能外国人の健康状態は良好でなくてはなりません。日本に入国する前に、日本で行おうとする活動を支障なく行うことができる健康状態にあることについて「医師の診断」を受ける必要があります。
この診断に際しては、一定の健康診断項目を検診し、さらに「安定・継続的に就労活動を行うことについて医師の署名がある」ことが求められます。
なお、診断項目のうち「胸部エックス線検査」に異常所見がある場合には、喀痰検査を実施し、活動性結核でないことを確認しなければなりません。

健康診断項目については、以下の個人票のサンプル書式を参照ください。

3)技能水準について
1号特定技能外国人については、従事しようとする業務に必要な「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」を有していることを、試験やその他の評価方法により証明しなければなりません。特定産業分野は、「介護」や「外食業」など業種がさまざまなため、具体的な試験その他の評価方法は、「特定産業分野に係る分野別運用方針及び分野別運用要領」で定められています。
それぞれの分野の特性に応じて、分野別運用方針では、技能試験によらない方法での技能水準の評価を認めているケースもあります。この技能試験は国外で行うことが原則ですが、国内試験も実施されることになっています。
なお、技能実習2号を良好に修了しており、従事しようとする業務と技能実習2号の職種・作業に関連性が認められる場合には、技能水準についての試験その他の評価方法による証明は必要ありません。
技能水準を確認するための資料については、「特定技能外国人受入れに関する運用要領」に記載があります。

試験その他の評価方法により技能水準を証明する場合
・分野別運用方針に定める技能試験の合格証明書の写し
・分野別運用方針に定めるその他の評価方法により技能水準を満たすことを証明する資料

技能実習2号を良好に修了した者であること等を証明する場合
・技能検定3級又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験の合格証明書の写し
・技能実習生に関する評価調書

4)日本語能力について
1号特定技能外国人は、「ある程度の日常会話ができ,生活に支障がない程度の能力を有することを基本としつつ、特定産業分野ごとに業務上必要な日本語能力水準」をクリアしていることが試験その他の評価方法で証明されていることが必要です。なお、技能実習2号を良好に修了している場合は、ここでも日本語能力水準についての試験その他の評価方法による証明は必要ありません。
日本語能力を確認するための資料についても、「特定技能外国人受入れに関する運用要領」に記載されています。

試験その他の評価方法により日本語能力水準を証明する場合
・日本語試験の合格証明書の写し
・分野別運用方針に定めるその他の評価方法により日本語能力を有することを証明する資料

技能実習2号を良好に修了した者であること等を証明する場合
・技能検定3級又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験の合格証明書の写し
・技能実習生に関する評価調書

今回は、1号特定技能外国人が求められる基準について紹介をしてきました。1号特定技能外国人に求められる基準は、今回紹介した内容以外にもまだ複数あります。次回も引き続き、1号特定技能外国人として認められるための基準について説明したいと思います。

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著者プロフィール(川島孝一氏)

(有)アチーブコンサルティング代表取締役、(有)人事・労務チーフコンサル タント、社会保険労務士、中小企業福祉事業団幹事、日本経営システム学会会員。
1966年、東京都大田区生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、サービス業にて人事 ・管理業務に従事後、現職。クライアント先の人事制度、賃金制度、退職金制度 をはじめとする人事・労務の総合コンサルティングを担当し、複数社の社外人事 部長・労務顧問を兼任する。経営者の視点に立った論理的な手法に定評がある。

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