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第01回 14年05月更新

派遣社員はどんどん活用すべき!?

「派遣社員、これからどうするのが良いですか?」と聞かれたら、私はこう答えています。
「どんどん積極的に活用していきましょう!」
来年に法改正が予定されていて、色々と議論が巻き起こっていますねぇ。でも、企業からすれば来年の法改正というのは、よりいっそうの派遣社員活用のチャンスなんですよ。
経営としての効率化を考えるなら、この法改正をうまく利用すべきだと、私は思います。
労働者派遣というのは、法制定当時より「派遣は正社員に取って代わるものではない!」という根本の考え方でやってきました。企業の人事労務担当者ならよくご存知の通りですね。でも、来年からはその“根本”の考え方が変わります。正社員がやっていた仕事を派遣社員に継続的に任せることができるようになるんです。なぜそのように変えるのでしょうか?それは、最終的には企業経営の活性のためです(と、私は思います)。
これを読んでいただいている企業の人事労務の担当者は、この法改正の趣旨、内容を理解し、自社の経営の活性に取り込んでいくことが求められているのです。もし、来年の法改正についてご存知ないのではれば、すぐに知っておいて頂きたいところです。

<主な改正ポイント>

・政令26業務が廃止され、全業務において派遣期間の上限が3年になります
(ただし、派遣元に無期雇用されている場合は上限なし)
・派遣先は、人を入れ替えれば同一の業務に派遣社員を割り当て続けることが可能になります
・特定労働者派遣事業が廃止され、全ての派遣事業者が国の許可制になります

今の派遣法って、そもそもどうなってたっけ?という方も結構いらっしゃるかもしれません。現在の法律では派遣社員の受け入れは、場所ごとに同一業務に関して原則1年、最長3年となっています。業務に対して期間制限が設けられていますので、人を変えてもダメで、3年が限度となります。ただし、いわゆる政令26業務に関しては上限がありません。元々、労働者派遣とは臨時的、一時的に労働力を確保するための手段であり、正社員に取って変われるような業務ではないという考え方です。なので、このような制限が設けられています。
でも、現実のところはどうしょうか?派遣社員に任している業務は、果たして正社員に取って代わらない業務のみでしょうか??政令26業務かどうかの判断は、皆様の企業では本当に適切だったでしょうか?
来年の施行が予定されている改正案では、この考え方が方針転換されます。業務に対する期間制限から、人に対する期間制限に変わります。派遣される人で見れば上限3年という制限となりますが、派遣を受け入れる会社としては、人を変えることで、その業務自体をずっと派遣社員で対応することが可能になるのです(事前に過半数組合等への意見聴取が必要)。臨時的、一時的な業務から定型的な業務へ、色々と議論が巻き起こってはいますが、企業としては派遣社員の活用範囲が大きく広がるチャンスと言えるのです。
一方、政令26業務については、これまで期間の制限がありませんでしたが、改正されると政令26業務という概念が無くなり、他の業務と同様になります。これまで、例えばシステムエンジニアなどで長期間の派遣を継続している場合には、人を入れ替える必要が出てきますので注意が必要です。
なお、派遣元で無期雇用になっている場合は、3年の制限はなく、無期限に派遣することが可能です。

さて、IT社労士として、システム視点でのお話をします。
派遣社員について人事システムでの情報管理をしている企業はどのぐらいあるでしょうか?私の経験上では3割以下です。給与計算をしないので・・という理由が多いかもしれません。
これまでは、それでよいと思います。しかし、これから派遣社員を活用することを考える企業であれば、情報の管理について見直しを図るべきだと思います。
どのような情報管理でしょうか?
派遣法として管理すべき情報がまずあります。派遣先管理台帳に記載されている情報です(内容はご承知の通りだと思いますので割愛しますね)。その上で、人事情報の管理として、正規社員レベルでの人事情報管理を行い、(大げさに言うと)人事戦略的な情報活用をすべきなのです。なぜなら、今後、派遣社員は正社員に取って代わる業務が任せられるようになるのですから。
派遣社員の受け入れという法的規制のある状況において、その人数が増えたとしてもコンプライアンスとしての問題なく適切に管理するという受け身の情報管理がまずひとつ。そして、定型業務を担う主要な人員としての人事情報管理がもうひとつ。この2点を押さえた上で派遣社員の活用推進を検討してはいかがでしょうか?
ちなみに、言うまでもないですが、正社員を否定している訳ではありません。正社員は生産性の高くない定型業務を脱し、生産性の高い企画系の業務に、より時間を割いていく事ができるようになる(そうすべき)ということなのかもしれませんね。

システムでの派遣社員情報の管理は、意外と容易にできるんです。例えば鈴与シンワートさんが対応しているPOSITIVEやSTAFFBRAINなどでも、任意の追加項目として管理し、検索や帳票などで活用することが簡単にできます。派遣社員を積極的に増やしていく!ということになれば、思い出して下さいね!

<システム管理すべき情報の例>

・派遣契約内容(社会保険加入有無や36協定内容なども含め)
・法的な派遣の限度期間(抵触日)
・日々の勤怠情報
・派遣社員からの苦情に関する内容
・派遣先の管理者
・派遣社員の人件費
・スキル、ノウハウ、評価、実績等
また、上記情報を元に、派遣先管理台帳の出力や派遣期間のアラーム管理の機能など

以上

著者プロフィール(野田宏明氏)

ITS社会保険労務士法人 代表
社会保険労務士。情報処理技術者(ITストラテジスト、プロジェクトマネージャ、アプリケー ションエンジニア)。
メーカー系IT企業にて人事業務のシステムコンサルタントに従事。大規模から中小規模まで多くの企業に対し、人事業務における業務コンサルティングからシステムの導入・運用保守まで一貫した対応を多数実施する。
その後、社会保険労務士として現職に至る。労務相談や教育講師の他、電子申請、給与計算などの領域にてITを活用した効率化をご提案する社会保険労務士として活躍中。
このコラムでは、社労士とシステムコンサルの視点にて、労務管理の様々なテーマを取り上げていきたいと思います。
http://www.it-sharoushi.jp/

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