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第22回 19年02月更新

電子申請で提出すると離職票などの書類はどのように戻る?

2020年4月から社会保険、雇用保険の一部手続きについて、大法人は電子申請が義務化となることは、既にご存知のとおりでしょう。
今回は、書面の手続きから電子申請に切り替えることにより、各機関から戻って来る紙の書類がどのように変わるのかをご紹介したいと思います。
手続きを提出するまでの流れに関しては、ある程度想像ができるかと思いますが、「離職票などの戻ってくる書類はどうなるの?」といった点については、始めてみないと案外分からないものです。これから電子申請を自社で活用していこうという方は、ご参考にして下さい。

まず、電子申請に共通したことですが、各機関で処理が完了すると、「コメント通知」と「公文書」が発行されます(手続きによっては公文書が無いこともあります)。e-Govであれば、そのサイトからダウンロードして取得します。これらのファイルは通常複数で構成されていますが、ZIP形式で圧縮され、1ファイルにまとまった状態となっています。
「コメント通知」は「厚生労働省からのお知らせ」ということで審査が終了した旨が記載されています。「公文書」については、手続きの種類により様々です。以下に具体的にご紹介していきましょう。

ハローワーク(雇用保険)

資格取得届を提出すると、ハローワークから被保険者証が発行されます。電子申請では、これがPDFファイルとして戻ってきます。PDFファイル自体が電子公文書として正式なものですので、このファイルを印刷すれば、それが雇用保険被保険者証になります。会社が退職時まで預かっているケースも多いですが、PDFであればデータのままで保管しておくことができ、本人に渡すタイミングで印刷すればよいことになります。
その他、事業主向けの資格取得確認通知書や資格喪失届についてもPDFとして発行されます。リーフレットなどの資料もPDFで添付されます。つまり、書面の手続きで戻って来る紙書類は、基本的に全てPDFになって戻るということです。
ご参考までに、資格取得届で戻るファイルは以下の内容です(2019年1月現在)。

①雇用保険被保険者証、資格取得等確認通知書(被保険者用)
②雇用保険資格喪失届、資格取得等確認通知書(事業主用)
③雇用保険のお手続きに関する厚労省からのお知らせ
④働き方改革関連法の準備を始めましょう!

③④についてはリーフレットです。時期により異なりますし、労働局によっても多少異なります(上記は東京労働局の例)。これらのリーフレットは手続き毎に毎回添付されます。

なお、連記式(CSVファイル)により複数従業員をまとめて手続きすると、①②のPDFが被保険者ごとに分かれた形で発行されます。

 

資格喪失届に関しても同様にPDFファイルが電子公文書として発行されます。離職票1、2に関しては印刷してご本人に渡すことになります。紙の離職票はA3サイズですが、この場合の印刷はA4でも問題ありません。普通紙に印刷すれば大丈夫です。
以下はハローワークから戻って来るファイルの一覧です。

①雇用保険被保険者離職票-1、資格喪失確認通知書(被保険者用)
②雇用保険被保険者離職証明書(離職票-2)
③離職票-2裏面
④雇用保険被保険者離職証明書(事業主控)
⑤雇用保険被保険者資格喪失確認通知書(事業主用)
⑥離職証明書をご提出いただいた事業主の皆様へ(東京版)
⑦雇用保険のお手続きに関する厚労省からのお知らせ(20190101)

「離職されたみなさまへ」などの離職者に渡すリーフレット類は④にダウンロード先が記載されているので、そこから取得し、印刷する形になります。以前は公文書に全て添付されていましたが、あるタイミングから変わりました。印刷するのであれば、それで十分かと思います。

年金事務所(健康保険・厚生年金)

資格取得や資格喪失、算定、月変における決定通知書に関しては、XML形式で発行されます。内容が記載されたXMLと、それを表示するためのXSLスタイルシートがセットで発行されます。このXMLファイルはInternet ExploreなどのWebブラウザで参照します。雇用保険のようにPDFファイルではありません。
ちなみに、ZIPで圧縮された状態でファイルを開くと、XSLスタイルシートが正しく参照できず、文字が羅列した状態で表示されてしまいます。開くときは必ず解凍してから行う必要があります。
当然ですが、健康保険被保険者証については別途郵送で事業所に届きます。退職時に被保険者証を返す場合も、電子申請の到達番号を記載して年金事務所(事務センター)に郵送する対応となります。

今回は代表的な手続きに関して簡単にご説明しました。これはら一度やってみれば分かることですが、電子申請を前提とした業務フローを考える上では(細かい話ではありますが)あらかじめ知っておきたい内容です。
電子申請の活用により、公文書が電子データ化される点は、企業の業務効率化につながります。電子申請の導入検討においてご参考にしていただき、スムーズな導入ができればと思います。

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著者プロフィール(野田宏明氏)

ITS社会保険労務士法人 代表
社会保険労務士。情報処理技術者(ITストラテジスト、プロジェクトマネージャ、アプリケー ションエンジニア)。
メーカー系IT企業にて人事業務のシステムコンサルタントに従事。大規模から中小規模まで多くの企業に対し、人事業務における業務コンサルティングからシステムの導入・運用保守まで一貫した対応を多数実施する。
その後、社会保険労務士として現職に至る。労務相談や教育講師の他、電子申請、給与計算などの領域にてITを活用した効率化をご提案する社会保険労務士として活躍中。
このコラムでは、社労士とシステムコンサルの視点にて、労務管理の様々なテーマを取り上げていきたいと思います。
http://www.it-sharoushi.jp/

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