石田昇吾
第53回  投稿:2025.04.10 / 最終更新:2025.04.14

グループ通算制度について①

今回は、グループ通算制度の概要について記載していきます。

1、グループ通算制度とは

グループ通算制度は、連結納税制度と同様に完全支配関係のある法人同士での損益通算を認めつつ、法人税額の計算から申告・納税は企業グループ内の各企業がそれぞれ個別に行う制度になっています。連結納税制度では、企業グループを一つの法人のように扱い、親法人が子法人の財務データも合算したうえで法人税の申告・納税を行う制度となっていました。

税制改正「グループ通算制度」

合算して申告する点で事務負担が多くかかることや、税務調査等で修正が生じた際の運用上の問題点から、令和2年度税制改正により、連結納税制度が廃止され、より簡素化できるよう「グループ通算制度」が創設されました。連結納税制度を採用しているグループも、原則、グループ通算制度に自動移行されました。

修正・更正の際に全体再計算となることによる手間を軽減するため、基本的には対象法人のみについて修正・更正を行い、他の法人については当初申告のままとする制度も設けられています。

2、申告期限

申告期限については、連結納税制度のときと同様、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内であるものの、通算法人が多数に上る等の理由によりグループ通算の規定による所得金額等の計算を了することができないために、提出期限までに申告書を提出することができない常況にあると認められる場合には、通算親法人の申請により申告期限を2カ月間延長することができる延長制度が設けられています。

3、税効果相当額の授受

連結納税制度においては、連結親法人がグループ全体の連結法人税額を納付し、それぞれの法人に対してその負担額の精算をするかどうかは任意とされており、それを精算した場合においてもそれは益金・損金に算入されないこととされていました。

一方、グループ通算制度は、各法人が単体申告をする過程で、他法人の欠損を自社の所得から控除(損益通算・欠損金の控除)する場合があります。それにより減少する法人税・地方法人税の額に相当する金額として通算法人間で授受される金額(通算税効果額)については、同様に益金・損金に算入しないこととされています。

なお、この通算税効果額の計算方法は、法人税法等には特に規定されておらず、合理的に計算することとされています。

4、消費税の取り扱い

消費税については、グループ通算の規定はなく、単体申告することになります。

以上 今回はグループ通算制度について取り上げました。


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