石田昇吾
第14回  投稿:2019.02.15 / 最終更新:2019.07.04

減価償却に関する経理処理について①

今回は、減価償却に関する経理処理について解説いたします。

1.【建物の減価償却】

当社は、3月決算である。平成30年5月に取得価格15,000,000円の建物を取得し、同月中に使用を開始したが、期末に耐用年数50年で減価償却を行った。(定額法を用いる。)

<仕訳> 減価償却費   275,000  減価償却累計額   275,000
<計算方法> 15,000,000円(取得価格)×0.02(1÷耐用年数=償却率)×11ヶ月(使用した分の月数)÷12ヶ月=275,000円

※税法上、建物の償却方法は定額法のみですが、平成10年3月31日以前に取得した建物については定率法の選択も認められています。
また、平成19年4月1日以降に取得する建物については、「新定額法」が採用されます。

※「新定額法」とは
法定耐用年数経過時点における残存価額が0円となる償却率により、法定耐用年数にわたって均等に償却する方法。

2.【200%定率法】

当社は、3月決算である。平成30年6月に取得価格500,000円(耐用年数5年、定額法の償却率を2倍した償却率0.4)の業務用冷蔵庫を取得し、同月中に使用を開始したが、200%定率法により期末に減価償却を行った。
なお、保証率は0.10800で、改定償却率は0.5である。

第1期 減価償却費 166,666    減価償却累計額  166,666
<計算方法> ①    500,000円(取得価格)×0.4×10ヶ月÷12ヶ月=166,666
②    500,000円×0.108(保証率)=54,000円
①の方が②よりも大きいので①の金額を使用。
第2期 減価償却費 133,333    減価償却累計額  133,333
<計算方法> ①    (取得価格-166,666【第1期減価償却額】)×0.4=133,333
②    500,000円×0.108=54,000円
①の方が②よりも大きいので①の金額を使用。
第3期 減価償却費 80,000   減価償却累計額 80,000
<計算方法> ①    (取得価格―第1期減価償却額―第2期減価償却額×0.4=80,000
②    500,000円×0.108=54,000円
①の方が②よりも大きいので①の金額を使用。
第4期 減価償却費 60,000   減価償却累計額 60,000
<計算方法> ①  (取得価格―第1期分減価償却―第2期分減価償却―第3期分減価償却)×0.4=48,000円
②  500,000円×保証率=54,000円
③  ①よりも②が大きいので、改定償却率を用いて、減価償却を行う。
④  (500,000-379,999【改定前減価償却の総額】)×0.5=60,000
第5期~ 減価償却費 60,000   減価償却累計額 60,000
<計算方法> ①  500,000-379,999―60,000―1=60,000

 

平成24年4月1日以降に終了する事業年度の法人税から適用されます。そのため、4月1日以降に取得する減価償却資産の定率法は、「定額法の償却率」を「2倍」にしたものが「200%定率法」となります。
また、この方法は、耐用年数から経過期間を控除した期間内に帳簿価額を定額法で全額償却することを仮定して計算した償却費を下回るとき(上記の仕訳ですと第4期から)に「定率法」から「定額法」に切り替え、備忘価額まで償却する方法です。

残りは、次回に記載いたします。

 

日本の会計・人事を変える!“もっと優しくもっと便利に”企業のバックオフィスを最適化

日本の会計・人事を変える!“もっと優しくもっと便利に”企業のバックオフィスを最適化

中堅企業から上場会社にフォーカス!高度な標準化の実現と成長を続ける基幹業務パッケージ

中堅企業から上場会社にフォーカス!高度な標準化の実現と成長を続ける基幹業務パッケージ

 

タグ:
著者のコラム一覧
あさレポ
ここレポ
S-port
物流コンサルティング
あさレポ
ここレポ
S-port
物流コンサルティング
800社以上の導入実績

3,700社以上の導入実績

弊社コンサルタントによる説明・お見積り依頼など、お気軽にご連絡ください。

PDF資料ダウンロード

詳しい資料のダウンロードはこちらから

3,700社以上の導入実績

3,700社以上の導入実績

弊社コンサルタントによる説明・お見積り依頼などお気軽にご連絡ください。

PDF資料ダウンロード

詳しい資料のダウンロードはこちらから