石田昇吾
第47回  投稿:2024.09.10 / 最終更新:2024.09.10

永年勤続表彰に関する経理処理について

鈴与シンワートが提供する管理部門の業務ソリューション

今回は、永年勤続表彰の経理処理について解説いたします。

1.会計上の取り扱い

長く勤務する従業員への感謝の気持ちを表現するために、現金・商品券・記念品を支給する場合があります。その場合は、福利厚生費として会計処理するのが妥当であると考えられます。

福利厚生費 50,000 現金 50,000

2.所得税の取り扱い

永年勤続表彰を行った場合の受け取った側の所得税の取り扱いについては、支給するものによって取り扱いが異なります。

①現金の場合   ・・・全額が給与課税されます。

②商品券の場合  ・・・全額が給与課税されます。

③記念品の場合  ・・・以下の3つの条件を満たした場合に限り、非課税とされます。
 ・勤続年数や地位などに照らし、社会一般的にみて相当な金額以内である。
 ・勤続年数がおおむね 10 年以上の人が対象である。
 ・同じ人を2回以上表彰する場合には、前に表彰したときからおおむね5年以上の間隔があいていること。

④旅行や観劇への招待費用の場合  ・・・③と同様
 ※旅行券を支給する形式の場合は、旅行券を使って旅行へ行ったというエビデンス
  (報告書や旅行先の資料など)を提出させることとし、旅行券の支給後、1年以内に利用しなかった場合は旅行券を会社に返還することなどを義務付けることで、③と同様の扱いが可能です。

⑤カタログギフトの場合   ・・・原則、全額給与課税となります。
 ※永年勤続者の表彰のための記念品については、その支給が社会一般的に行われているものであり、また、その記念品は、通常、市場への売却性、換金性がなく、選択性も乏しく、その金額も多額となるものでないこと等から、現金による手当とは異なり、強いて課税しないこととしています。
 しかし、同様の趣旨から、現物に代えて支給する金銭については、たとえ永年勤続者に対するものであっても非課税と取り扱うことはしないこととしています。
 カタログギフトのように、自由に記念品とする品物を選択できるとすれば、それは使用者から支給された金銭でその品物を購入した場合と同様の効果をもたらすものと認められますから、非課税として取り扱っている永年勤続者の記念品には該当しません。
 ただし、単一の物品の大きさや色を選択できるようなケースでは、非課税の扱いが受けられると考えられます。

3.永年勤続表彰の相場は幾らか

2.の課税されない「相当な金額」は、一律に定められているものではありませんが、産労総合研究所によると、10年勤続の場合で3.6万円程度、20年勤続の場合で7.4万円程度が相場と定められており、1つの目安とすることができます。

以上 今月は永年勤続に関する税務上の取り扱いについて取り上げました。金銭や物品の支給に変えて、「リフレッシュ休暇」の付与なども検討の対象となります。税理士や社会保険労務士とも相談の上、決定してください。


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