石田昇吾
第56回  投稿:2025.08.25 / 最終更新:2025.08.25

新リース会計について①

(1)新リース会計概要

2024年9月、企業会計基準委員会(ASBJ)は新リース会計基準を公表しました。2027年4月1日以降の事業年度から適用されることになります。

旧リース会計基準では、リース取引をファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類していました。

ファイナンス・リース取引に分類された場合には、通常の売買取引と同様の会計処理を行うことになっています。オペレーティング・リース取引は、通常の賃貸借取引に準じて会計処理を行うことが求められていました。ノンキャンセラブルでフルペイアウトという点が売買と同様と考えられるためです。

オペレーティング・リース取引に分類された場合には、原則として借主が必要とする期間だけ物件を使用する契約となるため、ノンフルペイアウトとなり、リース料は費用処理されることとなっていました。

 一方、新リース会計基準では、リースの定義を「原資産を使用する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約又は契約の一部分」としています。新会計基準によると、リース取引をファイナンスリースとオペレーティングリースに区分する必要はありません。

新会計基準

(a)リース開始時

使用権資産
リース負債

※「使用権資産」の取得価額には、リース契約期間中に発生する総リース料に加えて、取引開始前に発生した運送費や仲介手数料等の付随費用も加算します。リース負債は、リース契約期間中に発生するリース料の総額ではなく、リース料に含まれている利息相当額を割引現在価値で計上します。

(b)毎月のリース料支払時

リース負債
現金預金
支払利息

※毎月発生するリース料は、リース負債の返済部分と金利部分に区分して計上します。区分方法は利息法を用いて計算します。

(c)使用権資産の償却

減価償却費
使用権資産

※使用権資産の償却方法
所有権移転リース:自ら購入していたと仮定した場合に適用する減価償却方法と同一の償却方法を採用します。
それ以外のリース:企業の実態に応じた方法を選択適用します。

(2)リースであるかどうかの判断

新リース会計基準におけるリースとは、「原資産を使用する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約または契約の一部分」と定義されているため、契約書にリースと明記されていなくても、資産の使用権を得ているとみなされる取引はリースとして扱われる可能性があります。ここは、民法上の取り扱いと異なることとなります。また、短期リースや少額リースは例外として、費用計上が認められます。

以上 今月は、新リース会計について①を取り上げました。

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