ソフトウェアに関する経理処理①について
目次
今回は、ソフトウェアに関する経理処理①について解説いたします。
【1】 自社利用のソフトウェアの場合
1、ソフトウェアを購入した場合の会期処理
自社で利用するソフトウェアを外部から購入する場合は、ソフトウェアという
無形固定資産の勘定科目を使用して処理します。
ソフトウェア | 普通預金 |
※ただし、10万円以下で購入したソフトウェアは、税法の基準により資産ではなく消耗品費等の費用の科目で処理することが一般的です。
2、ソフトウェアを外注制作した場合の会計処理
自社で利用するソフトウェアを外部に委託して制作した場合、収益獲得または費用削減が確実なものは資産として扱います。
ソフトウェア | 普通預金 |
3、ソフトウェアを自社制作した場合の会計処理
自社で利用するソフトウェアを自社で制作した場合、収益獲得または費用削減が確実なものは資産として扱います。
ソフトウェア | 普通預金 |
また、製作途中で決算を迎えた場合に、開発に費やした費用は、ソフトウェア仮勘定として処理し、翌期完成時にソフトウェア勘定に振り替えます。
【2】市場販売目的のソフトウェアの場合
製品マスターの制作にかかる費用は研究開発費として費用計上されます。
研究開発費 | 普通預金 |
ただし、製品マスター(VER.0)が完成したのち、製品マスターに対して機能修繕やバージョンアップなどの作業を行った場合は、そのためにかかった費用を資産として計上します。
ソフトウェア | 普通預金 |
【3】ソフトウェアの減価償却
1、 自社利用目的のソフトウェア
減価償却期間は原則5年以内です。(税務上の耐用年数は5年です。)
ソフトウェア償却 | ソフトウェア |
2、市場販売目的のソフトウェア
市場販売目的のソフトウェアは、他の固定資産と違い、直接的に収益獲得に貢献するものであることから、その製品マスターの複写物が販売されることで得られる収益(見込販売数量又は見込販売収益)に基づき減価償却計算を行うこと
とされています。
毎期の減価償却額は、見込販売数量(又は見込販売収益)に基づく減価償却額と残存有効期間(販売可能期間)に基づく均等配分額とを比較し、いずれか大きい額を計上することになります。ただし、償却年数が3年を超える場合には合理的な根拠が必要とされます。
また、税務上の償却年数は、以下の通りとなります。
・「複写して販売するための原本」または「研究開発用のもの」:3年
・その他のもの:5年
ソフトウェア償却 | ソフトウェア |
以上 ソフトウェアに関する経理処理①について取り上げました。
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