石田昇吾
第41回  投稿:2023.06.12 / 最終更新:2024.01.10

インボイス制度の実務①インボイスの記載事項 その3

鈴与シンワートが提供する管理部門の業務ソリューション「S-PAYCIAL」

 

今回は適格簡易請求書について解説いたします。

インボイス(適格請求書)の記載事項

① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号

② 課税資産の譲渡等を行った年月日

③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)

④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率

⑤ 税率ごとに区分した消費税額等(消費税額及び地方消費税額に相当する金額の合計額をいいます。以下同じです。)

⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

インボイスの記載事項

⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

1.適格簡易請求書

原則的には、インボイスには交付を受ける側の事業者の氏名又は名称を記載することが要件となっており、これを満たさないものはインボイスとして認められません。

ただし、以下の事業に関しては、不特定多数の相手に適格請求書を発行することとなるため、実務上の煩雑さを考慮して、交付を受ける事業者の氏名又は名称の記載を省略することができます。これを適格簡易請求書と言います。

《対象となる事業》

①小売業
②飲食店業
③写真業
④旅行業
⑤タクシー業
⑥駐車場業(不特定多数の者に対する者に限る)
⑦その他これらの事業に準ずる事業で不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業

このため、例えば飲食店やコンビニエンスストアで受け取るレシートや、時間貸し駐車場で受け取る領収書などについては、宛先が記載されていなくてもインボイスとして認められることとなります。

また、現実に相手方の氏名又は名称を把握することが困難であるか否かは問われておらず、上記の事業に該当さえしていれば適格簡易請求書を発行できるため、例えば宿泊者の氏名や住所を記録・保管する義務を負っている旅館業等であっても、適格簡易請求書を発行することは可能です。

2.適格簡易請求書の消費税額の記載方法

適格簡易請求書については、消費税額の記載方法についても簡素化が認められております。

具体的には、適格請求書であれば税率ごとに区分した消費税額の記載が必要ですが、適格簡易請求書においては、これに代えて適用税率を記載するのみでも良いこととなっております。

そのため、適格請求書においては、

8%対象合計     ○○○円 (内 消費税 ○○円)

10%対象合計   ○○○円 (内 消費税 ○○円)

と記載する必要がありますが、適格簡易請求書においては、

8%対象合計   ○○○円

10%対象合計    ○○○円

のみの記載でも適正な書類として認められることとなります。

 

これまで3回に渡ってインボイスの記載事項について解説いたしました。いずれも執筆時点での情報となっておりますので、最新の制度概要については専門家にお問い合わせください。

(参考:国税庁インボイス制度Q&A 令和5531日現在)

 

インボイス制度の関連コラムはこちら!

インボイス制度の実務①インボイスの記載事項 その1

 

インボイス制度の実務①インボイスの記載事項 その2

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