石田昇吾
第16回  投稿:2019.05.29 / 最終更新:2019.07.04

本店・支店取引に関する経理処理について①

今回は、本店・支店取引に関する経理処理について解説いたします。

1.【本店・支店間および支店相互間で取引を行った】

当社では、支店独立会計制度を採用しているが、当期に以下の取引が行われた。

①本店の当座預金から千葉支店の普通預金へ500,000円を送金した。
②本店から原価800,000円の商品を埼玉支店に積送したが、この際に本店では15%の利益を加算した。
③埼玉支店では、本店からの出張者の旅費交通費43,200円を現金で立替払いした。
④千葉支店は本店から仕入れた商品のうち300,000円を埼玉支店に積送した。

~支店分散計算制度の場合~
【本店】

① 千葉支店 500,000  /  当座預金 500,000
② 埼玉支店 920,000  /  本店売上 920,000
③ 旅費交通費 43,200  /  埼玉支店 43,200

 

【千葉支店】

① 普通預金 500,000  /  本店 500,000
④ 埼玉支店 300,000  /  支店売上 300,000

 

【埼玉支店】

② 本店仕入 920,000  /  本店 920,000
③ 本店 43,200  /  現金 43,200
④ 支店仕入 300,000  /  千葉支店 300,000

 

~本店集中計算制度の場合~
【本店】

① 千葉支店 500,000  /  当座預金 500,000
② 埼玉支店 920,000  /  本店売上 920,000
③ 旅費交通費 43,200  /  埼玉支店 43,200
④ 埼玉支店 300,000  /  千葉支店 300,000

 

【千葉支店】

① 普通預金 500,000  /  本店 500,000
④ 本店 300,000  /  本店売上 300,000

 

【埼玉支店】

② 本店仕入 920,000  /  本店 920,000
③ 本店 43,200  /  現金 43,200
④ 支店仕入 300,000  /  本店 300,000

 

~解説~
 企業が支店を有する場合、本店だけでなく支店にも独自の帳簿に取引を記録する方法を「支店独立会計制度」と称され、本店とは別に財産計算と損益計算を行う会計制度です。
しかし、実務上は、固定資産や長期借入金などの固定性科目を本店で記録、管理させる事例もあります。
これに対し、すべての取引を本店の帳簿で処理する方法が「本店集中会計制度」です。この方法は、支店には補助簿が存在するだけで、本支店会計ではなく「集権的会計制度」と称されます。
また、支店相互間での取引を行った場合、それぞれの支店が相互の相手支店名をつけた支店勘定を用いた「支店分散計算制度」と、支店相互間での取引をそれぞれの支店と本店で取引したものとみなして処理をする方法を「本店集中計算制度」があります。

~注意~
これらの取引の特徴としては、一企業内部の取引であり本店・各支店勘定は最終的には相殺され決算書上は残高として残りません。

以上 今月は本店・支店取引の処理について取り上げました。仕訳処理のタイミングは会社ごとに異なると思いますので、その都度確認するようにしてください。

 

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