石田昇吾
第61回  投稿:2026.05.22 / 最終更新:2026.05.20

新公益法人会計基準について①

令和6年に、公益法人会計基準が、約16年ぶりに大改正されます。実務上かなり影響が大きいので、ポイントを整理して解説いたします。

1.概要

適用開始:2025年(令和7年)4月以降の事業年度

経過措置:~2028年(令和10年)まで

対象:公益社団・財団法人

2.改正の目的

今回の改正の目的は、以下の3つとされています。

①公益法人の継続的活動能力に関する情報

資産債務純資産といった「ストック情報」をわかりやすく開示する。

②活動実績(フロー情報)

事業にどれだけ投資し、どの程度効果的・効率的に機能したかをわかりやすく示す。

③資源提供目的との整合性

特定使途を指定された寄付金や補助金が、指定された目的どおりに使われたか、透明性とその説明責任をはたす。

3.改正のポイント

① 財務諸表の構造

「正味財産増減計算書」が「活動計算書」に変更され、株式会社等の「損益計算書」に近い財務諸表となります。従来は、財源別(寄附・事業など)に標記されていたものが、活動別に表示される形式がとられます。

② 貸借対照表の変更

「正味財産」の名称が「純資産」変更され、固定資産の区分に

1年基準(流動・固定の区分)導入が導入されます。

③基本財産・特定資産

本表から削除され、注記・明細で開示されます。

④その他の変更内容

財産目録が不要になるケースもあり、勘定科目や仕訳ルールも大きく変わります。

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4.旧制度との比較一覧

 旧基準 vs 令和6年基準(一覧表)
項目旧基準(平成20年)令和6年基準
計算書名称正味財産増減計算書活動計算書
表示方法財源別(寄附・事業など)活動別(機能別)表示
会計の考え方独自ルール中心企業会計に近づく
純資産名称正味財産純資産
B/S構成基本財産・特定資産を本表表示本表から除外し注記へ
資産区分独自区分流動・固定(1年基準)導入
有価証券評価限定的時価評価・評価差額表示強化
財務規律①収支相償原則が厳格柔軟化(弾力運用)
財務規律②資金の内部留保制限あり公益充実資金の創設
財務規律③使途不特定財産の制約あり整理・緩和
注記限定的開示項目の拡充
財産目録原則必要不要となるケースあり
勘定科目独自体系見直し・整理
金融商品簡易的企業会計に準拠強化
収益認識明確でない部分あり整理・明確化

5.実務上の注意点

現在は、経過措置が適用されていますが、令和10年分の予算書の作成段階から、新基準へ移行しなければなりません。会計ソフトのバージョンアップも必要です。また、活動別に経費を割り振る必要があるため、仕訳段階で補助科目や部門を付すことで後に集計がしやすいようにしておく必要があります。

以上 今回は、新公益会計基準について記載いたしました。

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