川島孝一
第155回  投稿:2026.05.12 / 最終更新:2026.05.12

障害者雇用率と除外率の変更

障害者の法定雇用率が2026年7月以降引き上げられることになりました。また、2026年4月から除外率の引き下げも行われています。

今回は、障害者の法定雇用率の引き上げと、除外率の引き下げについてみていきます。

障害者雇用率制度について

障害者雇用率制度は、障害者がごく普通に地域で暮らし、地域の一員として共に生活できる「共生社会」の実現を理念としています。そのため、すべての事業主は法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務があります。

法定雇用率が達成できない場合には、その人数に応じて障害者納付金を支払わなければなりません。法定雇用率が引き上げられてから慌てるのではなく、事前に計画を立てて障害者雇用をすすめていくことが重要です。

現在の民間企業の法定雇用率は2.5%ですが、2026年7月から「2.7%」に引き上げられます。法定雇用率が2.7%に引き上げられると、常用雇用労働者が37.5人以上の企業は障害者を1人以上雇用しなければならない計算になります。

障害者雇用の現場を想起させる画像

除外率制度について

障害者雇用促進法では、障害者の職業の安定のため、法定雇用率が設定されています。一方で、機械的に一律の雇用率を適用することになじまない性質の職務も存在します。そのため、障害者の就業が一般的に困難であると認められる業種については、雇用する労働者数を計算する際に、除外率に相当する労働者数を控除できる制度が設けられています。

この除外率制度は、ノーマライゼーションの観点から、2002年の法改正により、2004年4月に廃止されました。現在は、経過措置として、除外率設定業種ごとに除外率を設定するとともに、廃止の方向で段階的に除外率を引き下げ、縮小されることになっています。

すでに2004年4月、2010年7月、2026年4月に、一律に10ポイントの引下げが実施されています。2026年4月以降の除外率は以下の通りです。

なお、これまで除外率が10%以下であった業種は、除外率制度の対象外になりました。

除外率設定業種除外率
非鉄金属第一次製錬・精製業 貨物運送取扱業(集配利用運送業を除く) 5%
建設業 鉄鋼業 道路貨物運送業 郵便業(信書便事業を含む)10%
港湾運送業 警備業15%
鉄道業 医療業 高等教育機関 介護老人保健施設 介護医療院20%
林業(狩猟業を除く)25%
金属鉱業 児童福祉事業30%
特別支援学校(専ら視覚障害者に対する教育を行う学校を除く)35%
石炭・亜炭鉱業40%
道路旅客運送業 小学校45%
幼稚園 幼保連携型認定こども園50%
船員等による船舶運航等の事業70%

障害者のカウント方法について

雇用する障害者の人数は、労働時間数と障害の内容や程度により、換算します。

週所定労働時間30時間以上20時間以上30時間未満10時間以上20時間未満
身体障害者1人0.5人
重度身体障害者2人1人0.5人
知的障害者1人0.5人
重度知的障害者2人1人0.5人
精神障害者1人0.5人※0.5人

※当分の間の措置として、精神障害者である短時間労働者は、雇入れの日からの期間等にかかわらず、1人をもって1人とみなすことになっています。

雇用する労働者のカウント方法

常用雇用労働者の定義は、雇用契約の形式を問わず、1週間の所定労働時間が20時間以上の労働者であって、1年を超えて雇用される者(見込みを含む)をいいます。

具体的には、次の①~④のいずれかに該当するが常用雇用労働者と判断します。なお、1週間の所定労働時間が20時間未満の場合は、常用雇用労働者には含まれません。


雇用期間の定めのない労働者

1年を超える雇用期間を定めて雇用されている者

一定期間(1か月、6か月等)を定めて雇用される者であり、かつ、過去1年を超える期間について引き続き雇用されている者、又は雇入れのときから1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる者(1年以下の期間を定めて雇用される場合であっても、更新の可能性がある限り該当する)

日々雇用される者であって、雇用契約が日々更新されている者であり、かつ、過去1年を超える期間について引き続き雇用されている者又は雇入れの時から1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる者(上述③同様)

なお、③の「雇入れの時から1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる者」に該当するか否かを判断する基準は、次の2つのいずれかを満たすかにより決まります。

1)雇用契約書、雇入れ通知書等において、その雇用が更新される旨又は更新される場合がある旨が明示されている。ただし、更新回数等の上限が併せて明示されていることにより、1年を超えて雇用されないことが明らかな場合はこの限りではありませんが、下の2)に該当する実態にある場合を除きます。

2)雇用契約書、雇入れ通知書等において、その雇用が更新されない旨が明示されている場合又は更新の有無が明示されていない場合であって、類似する形態で雇用されている他の労働者が1年を超えて引き続き雇用されている等の更新の可能性がある実態にある場合

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今回は、障害者雇用率の引き上げと除外率の引き下げについて説明しました。

2026年7月以降、障害者を1名以上雇用する義務のある「常用雇用労働者数が37.5人以上」の企業は内容を正しく把握をしておく必要があります。

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