川島孝一
第111回  投稿:2022.08.30 / 最終更新:2022.09.28

男女の賃金の差異の情報公表

鈴与シンワートが提供する管理部門の業務ソリューション

 

2022年7月8日に厚生労働省令が改正され、労働者が301人以上の事業主については、「男女の賃金の差異」を公表することが必須になりました。

今回は、改正された制度の内容をみていきたいと思います。

 

2020年6月1日に施行された情報公表について

労働者が301人以上の事業主は、2020年6月1日から、「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」と「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備」の区分からそれぞれ1項目以上を選択して、あわせて2項目以上を情報公表することになっていました。

 

それぞれの内容は、以下の通りです。

*(区)と記載されている項目は、雇用管理区分ごとに公表を行うことが必要です。

*(派)と記載されている項目は、労働者派遣を受け入れている場合には派遣労働者を含めて公表を行うことが必要です。

 

 

【女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供】

①採用した労働者に占める女性労働者の割合(区)

②男女別の採用における競争倍率(区)

③労働者に占める女性労働者の割合(区)(派)

④係長級にある者に占める女性労働者の割合

⑤管理職に占める女性労働者の割合

⑥役員に占める女性の割合

⑦男女別の職種または雇用形態の転換実績(区)(派)

⑧男女別の再雇用または中途採用の実績

 

【職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備】

①男女の平均継続勤務年数の差異

②10事業年度前およびその前後の事業年度に採用された労働者の男女別の継続雇用割合 ③男女別の育児休業取得率(区)

④労働者の一月当たりの平均残業時間

⑤雇用管理区分ごとの労働者の一月当たりの平均残業時間(区)(派)

⑥有給休暇取得率

⑦雇用管理区分ごとの有給休暇取得率(区)

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雇用管理区分について

厚生労働省は、雇用管理区分を次のように定義しています。

「職種、資格、雇用形態、就業形態等の区分その他の労働者についての区分であって、当該区分に属している労働者について他の区分に属している労働者と異なる雇用管理を行うことを予定して設定しているものをいう。雇用管理区分が同一か否かの判断に当たっては、職務の内容、人事異動の幅や頻度等について、他の区分に属する労働者との間に、客観的・合理的な違いが存在しているかによって判断する。そのため、単なる形式ではなく、企業の雇用管理の実態に即して判断する。」

 

要約すると、「総合職と一般職」「事務職と営業職」「正社員と契約社員」などで区分することとなります。

 

埼玉労働局が雇用管理区分の具体的例を公表しているので紹介します。

1)コース別雇用管理(総合職や一般職等で区分)

以下のような条件だった場合、雇用管理区分が、「総合職」「エリア総合職」「一般職」の3つに分かれることになります。

職務 異動 昇進
総合職 全職務を担当 全国転勤あり 昇進上限なし
エリア総合職 全職務を担当 ブロック内転勤あり 課長が昇進上限
一般職 職務は限定的 転勤無 係長が昇進上限

 

2)職種別雇用管理(事務職、営業職、技術職等の職種で区分)

以下のような条件だった場合、正社員とパートで雇用形態が分かれているため、雇用管理区分が2つに分かれます。さらに、 正社員の中でも担当職務、転勤に違いがあるため、正社員内で4つの雇用管理区分があります。したがって、雇用管理区分は5つになります。

職務 異動 昇進 雇用形態
正社員事務職 事務のみ担当 転勤有 昇進上限なし 正社員
正社員営業職 営業のみ担当 転勤有 昇進上限なし 正社員
正社員技術職 技術のみ担当 転勤有 昇進上限なし 正社員
正社員製造職 製造のみ担当 転勤無 昇進上限なし 正社員
製造パート 製造のみ担当 転勤無 昇進はしない パート

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2022年7月8日に施行された『男女の賃金の差異』について

これまで、8項目だった「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」ですが、2022年7月8日に厚生労働省令が改正され、「男女の賃金の差異」が追加されました。

 

改正前は、「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」と「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備」の区分からそれぞれ1項目以上を選択して、合計2項目以上情報公表することになっていました。

今回追加された男女の賃金の差異は、「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」の中の項目に組み込まれていますが、公表が必須となります。

今後は、「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」の中から「男女の賃金の差異の公表」と「これまでの8項目のうち1項目以上」、「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備」の7項目から1項目以上の合計3項目以上を公表しなければなりません。

 

「男女の賃金の差異」は、男性労働者の賃金の平均に対する女性労働者の賃金の平均を割合(パーセント)で示すことになります。また、「全労働者」「正規雇用労働者」「非正規雇用労働者」の区分での公表が必要です。

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今回は、2022年7月8日に制度改正された女性活躍推進法の中の、男女の賃金の差異の公表の概要を説明しました。

次回は、男女の賃金の差異の計算方法をもう少し具体的にみていきたいと思います。

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