川島孝一
第113回  投稿:2022.11.01 / 最終更新:2022.10.31

勤務時間中の喫煙と休憩時間

鈴与シンワートが提供する管理部門の業務ソリューション

近年、喫煙者と非喫煙者の労働時間がフェアではないといった話が出てきています。喫煙者と非喫煙者の労働時間のバランスについては以前から言われてきていたことですが、喫煙者が以前と比べて少なくなってきたため、これらの声が大きくなってきていると考えられます。

また、健康経営の導入を検討する会社も増えてきました。喫煙は、健康に悪影響を与えることは科学的に証明されているので、従業員の健康を守るという観点から考えると、禁煙を推奨していくというのは、有効な手段と言えるでしょう。

今回は、勤務時間中の喫煙と休憩時間について考えていきます。

喫煙をすることによる健康リスク

喫煙はがん、脳卒中、虚血性心疾患などの循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や結核などの呼吸器疾患、2型糖尿病、歯周病など多くの病気と関係していることが科学的にわかっています。そのため、喫煙をやめればそれらの発症リスクは低くなります。喫煙を始める年齢が若いほど、がんや循環器疾患のリスクを高めるだけでなく、総死亡率が高くなることもわかっています。

厚生労働省が作成をしている「生活習慣病予防のための健康情報サイト」に、喫煙をすることによって発症するリスクが高い具体的な病気が公表されていますので紹介します。

 

1)科学的証拠は、因果関係を推定するのに十分である病気:レベル1

・がん:肺、口腔・咽頭、喉頭、鼻腔・副鼻腔、食道、胃、肝、膵、膀胱、子宮頸部

・肺がん患者の生命予後悪化、がん患者の二次がん罹患、かぎたばこによる発がん

・循環器の病気:虚血性心疾患、脳卒中、腹部大動脈瘤、末梢動脈硬化症

・呼吸器の病気:慢性閉塞性肺疾患(COPD)、呼吸機能低下、結核による死亡

・糖尿病:2型糖尿病の発症

・その他:歯周病、ニコチン依存症、妊婦の喫煙による乳幼児突然死症候群(SIDS)、早産、低出生体重・胎児発育遅延

 

2)科学的証拠は、因果関係を示唆しているが十分ではない病気:レベル2

  • がん:大腸がん、腎孟尿管・腎細胞がん、乳がん、前立腺がん死亡、急性骨髄性白血病、子宮体がんのリスク減少
  • がん患者全体の生命予後悪化、再発リスク増加、治療効果低下および治療関連毒性(治療による副作用がでる)
  • 循環器の病気:胸部大動脈瘤
  • 呼吸器の病気:気管支喘息の発症および増悪、結核の発症および再発、特発性肺線維症
  • その他:う蝕(虫歯)、口腔インプラント失敗、歯の喪失、閉経後女性の骨密度低下、大腿骨近位部骨折、関節リウマチ、認知症および日常生活動作、女性の生殖能力低下、妊婦の子宮外妊娠・常位胎盤早期剥離・前置胎盤、妊婦の子癇前症・妊娠高血圧症候群(PIH)のリスク減少

休憩時間とは

休憩については、労働基準法第34条で定められています。条文は、次の3項目で構成されています。

 

1)使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少くとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

 

2)前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。

 

3)使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

 

以上をまとめると、休憩時間は、原則として 1)労働時間の途中で、2)一斉に与え、3)自由に利用させなければならない、ということになります。休憩時間ですが、単に作業に従事しない手待時間は休憩時間ではなく、労働者が労働から離れることを保障されている時間をいいます。

また、休憩時間を分割でとることは特に制約がありません。例えば、労働時間の途中であれば15分の休憩を4回とることも可能ですが、労働者が実質的に休憩ができないような制度はお止めください。

鈴与シンワートが提供する管理部門の業務ソリューション「S-PAYCIAL」

自由に利用できるはずの休憩時間中に喫煙をするのであれば、非喫煙者からクレームが出ることはないと思います。しかし、問題となるのは労働時間中の喫煙です。

喫煙者は、仕事と仕事の合間で切替の意味で一服する傾向があります。そのため、非喫煙者に比べて喫煙者は労働時間が短くなってしまいます。

近年では建物全体が禁煙になっている会社も多く、1回の喫煙に10分かかるとすれば、1日に5本吸った場合に50分もの時間が消費されてしまいます。そうすると、通常の休憩1時間を合わせると1時間50分休憩時間を取得しているのと同じことになります。非喫煙者からクレームが出るのは当然とも言えるでしょう。

 

非喫煙者の喫煙者に対する不公平感をどのように解消していくかは、喫煙のルール(回数や喫煙場所等)を定めたり、非喫煙者に対して休憩時間を別途付与するといったことが考えられます。最近では、そもそも労働時間中の喫煙を一切禁止する会社も増えてきているようです。

前半で紹介したように、喫煙することによる健康リスクは科学的に証明されています。

従業員の健康の維持やパフォーマンス向上を目的として、これからの会社経営は禁煙を促していくことが重要になってきます。

 

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