川島孝一
第104回 22年02月更新

2022年の法改正項目~社会保険の適用拡大と女性活躍法

鈴与シンワートが提供する管理部門の業務ソリューション

これまで、2022年に行われる法改正項目について説明してきました。前々回の主な法改正項目には挙げていなかったのですが、女性活躍法も2022年から全面的に施行されます。今回は、「社会保険の適用拡大」と、「女性活躍推進法の全面施行」にスポットを当てます。

まず初めに、社会保険の適用拡大についてみていきます。

 

社会保険加入の基準

パートタイマー・アルバイトでも、会社に常用的に使用されているのであれば、原則として被保険者となります。しかし、時間や日数が少ない(受け取る給与額が少ない)方を被保険者とするのは、扶養家族の概念をなくすことにもつながってしまいます。

 

そのため、一定の基準以下で働く方については、社会保険に加入することができません。具体的な基準は、「1週間の所定労働時間」および「1か月の所定労働日数」が、同じ事業所で同様の業務に従事している一般社員の4分の3以上であることが、区切りになっています。

つまり、正社員と比べて労働日数と労働時間の両方が4分の3以上の非正規社員は被保険者として社会保険に加入し、どちらか一方でも満たさない場合は加入しないことになります。

 

ここでのポイントは所定労働時間「および」所定労働日数となっていることです。たとえば、正社員が週5日、1日8時間勤務の会社では、次のような働き方は、被保険者となる要件を満たしません。

 

1)正社員と同じ週5日勤務するが、週の所定労働時間が30時間に達しない(1日5時間 のパートタイマーなど)場合

2)1日8時間で勤務しているが、働く日は月水金の3日(週5日の4分の3未満=1か月に換算してもやはり4分の3未満)の場合

 

従業員数501人以上の企業の非正規社員の社会保険加入について

原則は前述の通りなのですが、厚生年金保険への加入拡大を目的として、2016年10月から従業員数501人以上の企業のパートタイマー・アルバイトの加入要件が緩和されています。

特定適用事業所と呼ばれる501人以上の大企業では、次の4つの要件すべてを満たした非正規社員は「短時間労働者」として健康保険と厚生年金保険の被保険者になります。

1)週の所定労働時間が20時間以上あること

2)雇用期間が1年以上見込まれること

3)賃金の月額が88千円以上であること

4)学生でないこと

 

被保険者数が常時500人を超えているかどうかの判断基準は、同一の法人番号を有するすべての適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者数で判断します。つまり、事業所単位ではなく、「企業全体」の被保険者数で判断すると捉えてください。

企業全体で、12か月のうち、6か月以上で500人を超えることが見込まれる場合は、短時間労働者を社会保険に加入させる必要があります。なお、いったん特定適用事業所になった場合は、その後被保険者数が500人以下になったとしても、被保険者の4分の3以上の同意がない限り、取り消すことはできません。

 

2022年10月からの非正規社員の社会保険加入について

法改正に伴い、2022年10月から非正規社員の社会保険の適用範囲が拡大されることになりました。

2022年10月からは次の要件を満たした非正規社員は「短時間労働者」として健康保険と厚生年金保険の被保険者になります。2016年10月からスタートしている要件と違う部分については、アンダーラインを引いています。

1)従業員数101人以上の企業であること

2)週の所定労働時間が20時間以上あること

3)2か月を超える雇用の見込みがあること

4)賃金の月額が88千円以上であること

5)学生でないこと

 

2024年10月からの非正規社員の社会保険加入について

さらに、今回の法改正では、2024年10月から非正規社員の社会保険の適用の対象となる事業所の規模が引き下げられることも決まりました。2024年10月からの要件については、以下の通りとなります。

1)従業員数51人以上の企業であること

2)週の所定労働時間が20時間以上あること

3)2か月を超える雇用の見込みがあること

4)賃金の月額が88千円以上であること

5)学生でないこと

 

女性活躍推進法の内容

続いて、女性活躍推進法の全面施行についてみていきます。

女性活躍推進法の目的は、そのものずばり「女性の活躍推進」です。女性の活躍を推進するために国、地方公共団体、事業主それぞれの責務を定めています。2019年の法改正では、企業規模によって施行される日が異なっていましたが、2022年4月1日から全面的に施行されることになります。

 

これまでは、常時雇用する労働者の数が301人以上の事業主は以下の項目が義務化、300人以下の事業主は努力義務とされていました。

1)自社の女性の活躍状況を、基礎項目に基づいて把握し、課題を分析する。

2)一般事業主行動計画を策定し、社内周知と外部公表を行う。

3)一般事業主行動計画を策定したことを都道府県労働局に届け出る。

4)取組を実施し、効果を測定する。

 

これらの「一般事業主行動計画の策定・届出義務」と「自社の女性活躍に関する情報公表」の義務の対象が、2022年4月1日から常時雇用する労働者が101人以上の事業主に拡大されます。

 

なお、「101人以上300人以下」の企業が早めに行動計画を策定すると、以下のメリットがあります。

1)各府省などが実施する総合評価落札方式または企画競争による調達で有利になる場合がある。(問い合わせ先:内閣府男女共同参画局)

2)「働き方改革推進支援資金」が特別利率による資金融資で受けられる場合がある。(問い合わせ先:日本政策金融公庫)

 

興味がある方は、自社が該当するかどうかも含めて、該当する機関に確認をしてください。

 

 

 

今回は、社会保険の適用拡大と女性活躍推進法について見てきました。社会保険の適用拡大については、多くのパートタイマー・アルバイト従業員の方を抱えている企業にとっては、大きな影響がある改正だと思います。パートタイマー・アルバイト従業員の中には、社会保険の加入を望まない方も少なからずいるようです。

法改正に該当する会社は、パートタイマー・アルバイト従業員の雇用契約の内容等を確認して、該当する方に対して事前に説明をし、場合によっては雇用契約の変更も視野に入れておいたほうがよいでしょう。

 

鈴与シンワートが提供する管理部門の業務ソリューションSTAFFBRAIN/POSITIVEは株式会社電通国際情報サービスの製品です。
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