日本の人事部掲載コラム バックナンバー
第48回  投稿:2018.03.01 / 最終更新:2020.04.15

賃金支払いの5原則~その1

給与計算を行う上では、労働基準法の知識がある程度は必要になります。その中でも、賃金の支払い方法についてのルールは必ず知っておく必要があります。今回は、労働基準法第24条で定められた「賃金支払いの5原則」についてみていきたいと思います。
この5原則は、支払い方法が日払いや週払い、月払いであるということは関係なく、また時給制、日給制、年俸制など賃金体系にかかわらず適用されることになります。

労働基準法第24条第1項と第2項では、賃金について以下のように定めています。

1.賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令もしくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省で定める賃金について確実な支払いの方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときにはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表するものとの書面による協定がある場合においては賃金の一部を控除して支払うことができる。

2.賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省で定める賃金についてはこの限りでない。

この2つの中に、賃金を支払う際の5つの原則が含まれています。

それでは、改めて、それぞれの原則をひとつずつみていきましょう。

1)通貨払いの原則「賃金は通貨で支払わなければならない。」
現在は、口座振込で給与を支払っている会社が多くなりましたので、それが当たり前と思っている方も多いと思います。しかし、労働基準法では、賃金は通貨(現金)での支払いを原則としており、口座振込は例外扱いになります。
給与や賞与を口座振込で支払うには、「社員の同意を得た」場合に、社員が指定する銀行その他の金融機関に対して預金または貯金への振込ができることになります。

この同意については、社員の意思に基づくものであればその形式は問わないものとされています。口座振込を通貨払いの原則の例外として有効なものにするために、また正確な振込処理を実行するためにも、振込先の確認は口頭ではなく書面で行ったほうが良いでしょう。(書面を出す=口座振込に同意した、と考えられます。)
また、通達では賃金は所定の賃金支払日の午前10時頃までに払い出しまたは払い戻しが可能になっていることを求めています。給与の支払日に支払いを済ませれば良いというわけではないという点は注意が必要です。

給与システムが発達して、社員の銀行口座を入力すれば簡単に振込処理ができるようになってきました。

 

しかし、担当者の方には、労働基準法では賃金の振込は例外扱いということを認識していただければと思います。もし、口座振込についての同意を得ていない場合は、書面を作成して同意を得たほうが良いでしょう。
次回も賃金支払いの5原則についてみていきたいと思います。

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