日本の人事部掲載コラム バックナンバー
第01回  投稿:2014.04.14 / 最終更新:2019.07.04

消費税増税で変わる通勤手当と社会保険料

皆さんは、毎月給与明細を見ていますか?

給与明細を貰ったら、封筒のまま引き出しにしまいっ放しなんて方もいると思います。

中には、「家に持って帰ると奥様にバレル!!」なんて方もいるかもしれません。

 

さて、私は今回よりコラムを掲載させていただくことになった川島と申します。

今回から、一般の方が自分で給与明細を見たときの素朴な疑問や、給与担当者が行政官庁から指摘を受けないための方法、など給与や賞与にまつわる話をしていきたいと思います。

 

初回の今回は4月から消費税増税による通勤手当の変更と社会保険の手続きです。

 

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4月1日から消費税が増税になることに伴い、鉄道各社の運賃も値上げされます。

皆さんが通勤に使用している定期券代も変更になると思います。中には、給与担当者がいつから通勤費をあげるべきか頭を悩ませている会社もあるようです。

 

パートタイマーで出勤日数に応じて日額の通勤費を支給している場合は、4月1日の勤務分より日額の通勤費を変更すれば良いでしょう。

ただし、今回の運賃改定では、スイカやパスモといった交通系ICカードを利用した場合と現金で切符を購入したときの運賃が違う路線があるようです。そのため、「何を使用したときの運賃」あるいは「両者の安い方の運賃」など、定義を決めておかないと不公平が生じるかもしれません。

 

正社員のように定期券代を支給しているケースでは、1ヶ月定期券代で支給する会社から6ヶ月定期券代で支給する会社までさまざまです。また、定期券代の現物を見て、その金額を支給する会社もあれば、現物確認はせずに毎月定額を支給する会社もあります。

そのため、どの方法が良いのかは会社ごとで違います。しかし、基本的な考え方は、定期券は事前に購入するもので、日々購入するものではないことを念頭において決めるべきです。

例えば毎月1ヶ月定期券代を給与の締め日にあわせて「前月16日~今月15日」までを今月の25日に支給している会社では、3月15日までに1ヶ月定期券を購入しているはずですので、4月25日に支給する通勤費は旧定期券代で良いとなります。

会社が都合よく考えているような気もしますが、会社は1ヶ月の定期代で支給していても、正社員の方であれば定期券は6ヶ月で購入し、多少浮かせている方もいます。

そのため、きちんと説明ができるような方法であれば、社員の不公平感はないと思います。個別の事情は考慮せず、会社全体で統一した対応をしたいものです。

 

さて、今回の通勤費の改定は、全国ほとんどの鉄道会社にまたがる大規模なものです。通勤費の変更は固定的な賃金の改定にあたります。交通費日額×出勤日数で通勤費の支給を受けている方も、単価となる日額の改定は同様に固定的な賃金の改定になります。

実務担当者はご存知だと思いますが、固定的賃金が変更になって、3ヶ月間の賃金総額がある程度変動すると社会保険の「標準報酬月額変更」の手続きが必要です。

この標準報酬月額は、皆さんの健康保険料や介護保険料、厚生年金保険料といった「社会保険料」を決める仮の金額です。そのため標準報酬月額が変更になると皆さんの社会保険料も増額となります。

変更になるのは、固定的賃金の変更があった月から数えて4ヶ月目の保険料からです。社会保険料はその月の分を翌月に控除している会社が多いですから、そのような会社では、次のような流れになります。

 

5月に支給した通勤費から変更になった

→5月~7月に支給を受けたすべての賃金を平均

→これまでの標準報酬月額と比べて2等級以上変動

→8月分の社会保険料から標準報酬月額を変更

→9月に支給する給与から控除される社会保険料が増える

 

通勤費だけで2等級以上動くことはあまりないと思いますが、その間の残業が多かったりすると総額では月額変更の対象となることがあります。特に、給与の昇給月と通勤費の変更が支給日で見て違う月になる会社では、両方の月とも月額変更の対象になるかを確認しなければなりません。実務担当者は誤りがないように気をつけましょう。

 

給与計算についてはS-PAYCIALのようなアウトソーシングを活用するのも一つ方法です。各指標の法基準や、計算式変更になった場合でも柔軟迅速に変更できるため、時間とコストの短縮になります。社労士サービスとの併用でさらに効果も上がります。

 

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