日本の人事部掲載コラム バックナンバー
第141回  投稿:2026.04.14 / 最終更新:2026.04.14

通勤手当の非課税限度額の引き上げ

2025年11月19日に所得税法施行令の一部を改正する政令が公布されました。改正によって、自動車通勤等をしている従業員に対して支払っている通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。

この改正は、2025年11月20日に施行され、2025年4月1日以後に支払われるべき通勤手当(同日前に支払われるべき通勤手当の差額として追加支給するものを除きます。)について適用されることになります。

4月1日に遡りますので、課税扱いにしていた従前の非課税限度額を超過していた金額は、全額ないし一部を年末調整で調整する必要があります。

また、すでに退職している方の源泉徴収票も金額を訂正して、再交付する必要があります。

今回は、通勤手当の非課税限度額の改正についてみていきます。

通勤手当の非課税限度額について

今回の改正は、2025年4月1日に遡って限度額が変更されます。なお、交通機関等を利用している場合の非課税限度額は変更ありません。

また、限度額が引き上げになるということは、非課税の枠が増えるということなので、これまで非課税限度額の範囲でしか支給していない会社は、調整の必要はありません。

なお、以下に該当する通勤手当については、改正後の非課税限度額は適用されません。


1)2025年3月31日以前に支払われた通勤手当
2)2025年3月31日以前に支払われるべき通勤手当で同年4月1日以後に支払われるもの
3)上の1)または2)の通勤手当の差額として追加支給されるもの


「自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当」の改正後の1ヶ月あたりの非課税限度額は次のようになります。

通勤距離1ヶ月あたりの非課税限度額
1)通勤距離が片道2km未満である場合全額課税 *変更なし
2)通勤距離が片道2km以上10km未満である場合4,200円 *変更なし
3)通勤距離が片道10km以上15km未満である場合7,300円 (従前 7,100円)
4)通勤距離が片道15km以上25km未満である場合13,500円(従前12,900円)
5)通勤距離が片道25km以上35km未満である場合19,700円(従前18,700円)
6)通勤距離が片道35km以上45km未満である場合25,900円(従前24,400円)
7)通勤距離が片道45km以上55km未満である場合32,300円(従前28,000円)
8)通勤距離が片道55km以上である場合38,700円(従前31,600円)

課税済の通勤手当の精算

改正前にすでに支払われている通勤手当については、改正前の非課税限度額を適用して所得税が計算されています。4月1日以後に支払われるべき通勤手当について、改正後の非課税限度額を適用した場合に過納となる税額がある場合には、2025年の年末調整の際に精算することになります。

給与ソフトで年末調整を行わずに、手計算で年末調整を行う具体的な手順は次の通りとなります。


1)改正前の非課税限度額を適用して課税された通勤手当のうち、改正後の非課税限度額によって新たに非課税となった部分の金額を計算します。

2)「令和7年分給与所得に対する源泉徴収簿」の余白に「非課税となる通勤手当」と表示して、1)の計算根拠及び今回の改正により新たに非課税となった部分の金額を記入します。

3)源泉徴収簿の「年末調整」欄の「給料・手当等1」欄には、「給料・手当等」欄の「総支給金額」の「計1」欄の金額から2)の新たに非課税となった部分の金額を差し引いた後の金額を記入します。

4)改正後の非課税限度額によって新たに非課税となった部分の金額が、2025年の給与総額から一括して差し引かれることになるため、その差引後の給与の総額を基にして年末調整を行います。

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すでに発行している退職者の源泉徴収票

今回の改正の公布前にすでに退職している従業員についても、4月1日以後に支払われるべき通勤手当について、改正後の非課税限度額を適用した場合に過納となる税額があるケースがあります。

この場合も、「課税済の通勤手当の精算」に沿って計算を行い、「支払金額」を訂正し、摘要欄に「再交付」と表示した給与所得の源泉徴収票を作成し、再度交付する必要があります。

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今回は、通勤手当の非課税限度額の引き上げについてみてきました。

今回の改正は、今年8月に行われた人事院勧告の中で、自動車などの交通用具使用者に対する通勤手当の額の引き上げが2025年4月1日以降の措置内容として勧告されたことによるものです。

年末調整まであまりにも時間が少ない中で公布され、周知も不十分なため、改正に気がついていない会社も多いようです。

また、規程上、通勤手当を「非課税限度額の金額を支給する」としている場合は、通勤手当そのものを引き上げる必要が出てきます。

後で年末調整をやり直すことのないように、該当する会社はしっかりと確認をしてから業務を進めるようにしましょう。

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