溝口知実
第33回  投稿:2018.10.17 / 最終更新:2018.10.16

健康保険の被扶養者認定の厳格化について

こんにちは。特定社会保険労務士の溝口知実です。
10月1日から、健康保険の被扶養者の認定が厳格化されました。これまでは、被保険者本人の申立てにより扶養認定を行っていた場合がありましたが、10月1日以降は申立てのみによる認定は行わず、証明書類の添付に基づき認定を行うという取扱いとなりました。今回は、その主な変更点につき確認したいと思います。

健康保険の被扶養者の認定にあたり、①被保険者と扶養認定を受ける人との身分関係(続柄)及び②扶養認定を受ける人が被保険者により主として生計を維持されていること、を確認する必要があります。原則としてこの2つを確認するための添付書類の提出が求められますが、一定の要件を満たした場合には、添付書類を省略できる場合があります。

具体的には、①の続柄を確認する書類として、戸籍謄本(または戸籍抄本)、住民票(被保険者が世帯主であり扶養認定を受ける人と同居している場合のみ)のいずれかの提出が求められますが、被扶養者異動届に被保険者及び扶養認定を受ける人双方のマイナンバーの記載がある場合や、事業主が双方の続柄につき確認した旨を異動届に記載した場合は添付書類を省略できます。
②の収入を確認する書類としては、所得証明書等の添付が必要です(扶養認定を受ける人が所得税法上の控除対象の配偶者または扶養親族であることを確認した旨の事業主の記載がある場合は省略可能。扶養認定を受ける人が16歳未満の場合はどちらも不要)。なお、障害年金、遺族年金、傷病手当金、失業給付等は非課税のため、受取金額の確認ができる通知書等のコピーの添付が必要です。
扶養認定を受ける人と被保険者が別居している場合は、仕送りの事実と仕送り額が確認できる預金通帳の写し又は現金書留の控え(写し)の添付が必要です(16歳未満または16歳以上の学生の場合には不要)。さらに、仕送り額についても被扶養者異動届や「扶養に関する申立書」に仕送り額や仕送りの回数を記入することが求められます。

厚生労働省保険局保険課が全国健康保険協会・健康保険組合向けに発出した「日本国内に住所を有する被扶養者の認定事務について」に関する留意点によると、認定後、少なくとも年1回保険者による扶養認定の確認を行うことが望ましい、とあり、扶養認定後に事情により被扶養者の要件を満たさなくなった場合は、要件を満たさなくなった時点以降で扶養認定の削除する届出を提出させ、認定時に瑕疵があり被扶養者の要件を満たしていないことが判明した場合には、認定時に遡って扶養認定を取り消す、といった取扱いが示されています。

以上のように、今後は扶養認定時及び扶養認定後においても厳格な確認が求められます。社会保険事務担当者の方は、従業員から被扶養者の認定申請があった際や被扶養者の状況確認の際に不明点等があれば保険者に確認を行い従業員への適切な案内に努めましょう。

 

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