川島孝一
第135回  投稿:2024.09.06 / 最終更新:2024.09.05

健康保険証の廃止

鈴与シンワートが提供する管理部門の業務ソリューション

2024年12月2日に健康保険証が廃止され、 マイナンバーカードと健康保険証が一体化されます。この一体化された健康保険証を「マイナ保険証」と呼びます。

2024年12月2日以降は、原則としてマイナ保険証による医療機関等の受診を基本とした仕組みに変わります。

すでに利用されている方も多いと思いますが、今回は、マイナ保険証について改めてみていきます。

マイナンバー制度が導入された理由とマイナ保険証

マイナンバー制度が導入された理由を改めてみていきましょう。マイナンバー制度導入により、期待された効果は大きく3つありました。


① 所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止し、本当に困っている方に国がきめ細かな支援を行えるようになる。
 (公平・公正な社会の実現)

② 添付書類の削減など、行政手続きが簡素化され、国民の負担が軽減される。また、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関からさまざまなサービスのお知らせを受け取ったりできるようになる。
 (国民の利便性の向上)

③ 行政機関や地方公共団体などで、さまざまな情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減される。複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減される。
 (行政の効率化)

マイナンバー制度の導入後、マイナンバーカードに健康保険証の機能も持たせようというのが、マイナ保険証です。

マイナ保険証の導入で得られるメリットは、以下の点になります。


① 特定健診や診療の情報を医師と共有でき、重複検査を防ぎ、自身の健康・医療データにもとづく、より適切な医療を受けられる。

② 薬の情報も医師・薬剤師と共有でき、重複投薬や禁忌薬剤投与のリスクも減少する。

③ 旅行先や災害時に受診する際も、薬の情報等が連携される。

④ 医療費が高額な場合に申請する「限度額適用認定証」が不要になる。

⑤ 就職や転職後の保険証の切り替え・更新が不要になる。

⑥ 高齢受給者証も不要になる。

⑦ マイナポータルで医療費通知情報を入手でき、医療費控除の確定申告が簡単にできるようになる。

個人情報の漏洩が心配という声も聞きますが、基本的に、本人の同意なく情報が共有されることはありません。

通知カードと個人番号(マイナンバー)カード

 各個人に個人番号を知らせる通知カードは、紙製のカードで通知が行われました。券面に氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバーが記載されています。

マイナンバーカードは、申請書を市区町村にオンラインや郵送するなどして、交付を受けることができます。このマイナンバーカードは、ICチップのついたカードで、表面に氏名、住所、生年月日、性別、顔写真、裏面にマイナンバーが記載されています。

マイナ保険証

マイナ保険証を利用するための手順

マイナ保険証を利用するための手順は、以下の通りです。

社会保険への加入手続きは、これまで同様に会社が行います。就職や転職をした場合は、会社にマイナンバーを提出して社会保険の加入手続きを行わないと、健康保険証とマイナンバーカードは連携できません。

① マイナンバーカードの取得

健康保険証と一体化することができるのは、マイナンバーカードとなります。通知カードだけでは連携をすることはできないのでご注意ください。マイナンバーカードを持っていない場合は、先にマイナンバーカードの作成をする必要があります。

申請先は、各市区町村となりますので、不明点などについては、お住まいの市区町村に確認してください。

② マイナ保険証の利用登録

マイナンバーカードを保険証として利用できるようにするには、ご自身で 「保険証利用登録」を行う必要があります。マイナンバーカードの保険証利用登録には3つの方法があります。

・医療機関窓口のカードリーダ
・セブン銀行ATM
・マイナポータル

ご自身の生活状況に合わせて、選択してください。

発行済みの健康保険証の取り扱いについて

従来の健康保険証は、2024年12月2日に廃止されますが、 既存の健康保険証は、退職等で資格喪失にならない限り、2025年12月1日までの1年間は使用することができます。
マイナンバーカードをお持ちでない方は、廃止期限間際は市区町村窓口が混み合う可能性があるので、早めに発行手続きをした方が良いでしょう。

マイナ保険証を持っていない場合の医療機関受診方法について

マイナンバーカードを持っていない、もしくはマイナ利用登録をしていない方は、 保険者から交付される資格確認書を提示すれば、これまで通りの保険診療を受けることができます。

資格確認書は、これまでの健康保険証のように自動的に発行されるのではなく、以下の手続きが必要です。

新規加入者

資格確認書は、2024年12月2日以降、資格取得届などによる本人からの申請にもとづき、会社を経由して加入者に発行されます。

既存加入者

2025年12月2日以降、マイナ保険証を持っていない、マイナンバーが未登録等の場合に資格確認書が発行されます。

今回は、全国健康保険協会が作成した資料をもとに、マイナンバーカードと健康保険証の一体化について説明しました。
入社時の手続きの際は、「資格確認書」が必要か否か(マイナンバーカードを保有しているか否か)を確認する必要が出てきます。
なお、健康保険組合に加入している事業所については、組合独自のルールが定められている可能性がありますので、個別に確認を行うようにしてください。


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