子ども・子育て支援金制度
目次
「子ども・子育て支援金制度」が創設され、それに伴って、2026年4月分保険料から子ども・子育て支援金の徴収が開始されることとなります。
今回は、社会保険料の仕組みと「子ども・子育て支援金制度」の概要についてみていきます。
健康保険料と厚生年金保険料

社会保険料とは、健康保険と厚生年金保険の総称です。
社会保険料は、労働保険料と異なり、標準報酬月額に保険料率を乗じるという方式で決定します。したがって、社会保険料を正確に計算するためには、被保険者ごとの標準報酬月額と保険料率の2つを把握している必要があります。
標準報酬月額の決定
標準報酬月額は、1か月の給与額を健康保険は1級から50級、厚生年金保険料は1級から32級と定められている標準報酬月額表に当てはめて決定します。
たとえば、毎月の給与総額が25万円の場合の標準報酬月額は26万円となります。なお、厚生年金保険料率は、全国同一ですが、健康保険については、協会けんぽの場合は、都道府県ごとに保険料率が異なります。また、健康保険組合に加入している場合は組合ごとに保険料率が異なります。
給与計算をする場合は、会社を管轄する都道府県支部あるいは加入している健康保険組合の標準報酬月額表を必ず使用してください。
健康保険の保険料率は組合で異なる
健康保険には、政府が行う協会けんぽと健康保険組合が行うものがあります。協会けんぽは都道府県支部ごとに保険料率が異なり、おおむね毎年3月に保険料率が見直されます。
健康保険組合は、法律の範囲内で独自に保険料率を決定することができるため、協会けんぽの保険料率とは異なります。健康保険組合も組合ごとの財政状況などを勘案して保険料率が見直されますので、組合からの案内等に注意するようにしましょう。
また、40歳以上65歳未満の従業員については、介護保険料を一緒に徴収します。介護保険料率は、協会けんぽで全国一律、健康保険組合は組合ごとに異なります。
なお、一部の健康保険組合では、40歳以上65歳未満の扶養家族がいる場合も介護保険料を徴収することがあります。
このように会社がどの社会保険制度に加入しているかを正確に把握をして、適切な保険料の計算をすることが重要です。
子ども・子育て支援金制度について
子ども・子育て支援金制度は、子育てを社会全体で支えるためにできた制度となります。徴収された支援金は、以下の項目に使用されます。

・児童手当を所得の制限なく、高校生年代まで支給 ・妊娠届出時に5万円、妊娠後期以降に妊娠している子どもの数×5万円の給付 ・両親がともに育児休業を取った場合に、手取り10割の給付 ・育児中に時短勤務をする場合に、時短勤務時の賃金の10%を支給 ・子ども誰でも通園制度により、働いていなくても、保育所などを月10時間利用可能 ・2026年10月から自営業やフリーランスの方の育児期間中の国民年金保険料を免除 |
支援金率について
支援金額(月額)は、標準報酬月額×支援金率になります。被用者保険については、一律の支援金率となります。したがって、協会けんぽや健康保険組合で率が変わることなく、2026年度の支援金率は0.23%で一律となります。
この支援金は、基本的には健康保険料などと同じ労使折半になります。
徴収が始まるタイミングは、2026年4月保険料からとなります。社会保険料を翌月に徴収している会社は、2026年5月支払の給与から天引きを開始することになります。
賞与についても、4月1日以降に支払う場合は、支援金の徴収が必要となりますので、ご注意ください。
給与明細書に保険料額の内訳として支援金額を示すことは、法令上の義務とはなっていません。ただし、子ども家庭庁は、社会全体でこどもや子育て世帯を応援する趣旨であることを踏まえて、給与明細にその内訳を記載する取り組みについて協力を求めています。
今回は、子ども・子育て支援金制度について説明しました。簡単に言うと、健康保険や厚生年金保険と同様の保険料が一種類増えると理解していただければと思います。
これまでになかった支援金制度がスタートすることになりますので、給与計算を正しく行えるように事前にしっかりと準備をしましょう。
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