川島孝一
第159回  投稿:2026.09.15 / 最終更新:2026.09.15

雇用管理の改善等に関する措置の内容変更

パートタイム・有期雇用労働者の待遇改善を進めるため、2026年10月からパートタイム・有期雇用労働者に関するルールが改正されることになりました。

前回確認したように、「同一労働同一賃金ガイドライン」の改正のほか、「事業主が講ずべき短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置等についての指針」についても、2026年10月から新たな項目が追加されます。

今回は、指針の追加項目についてみていきます。

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短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律とは

今回追加される項目の根拠となる法律は、「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」になります。

簡単に説明をすると、正社員とパートタイム労働者や有期雇用労働者との不合理な待遇差を禁止するなど、パート・アルバイト・契約社員として働く方の環境を良くするための法律です。

「パート」「アルバイト」といった呼称の違いによらず、「パートタイム・有期雇用労働法」の対象になるのは以下の方です。

・正社員(通常の労働者)と比較して1週間の所定労働時間が短い労働者

・有期雇用(1年や3年など定めがある労働契約)で働く労働者

追加される項目について

指針に追加される項目は、下線が引いてある部分です。順番にみていきましょう。

① 雇用管理の改善等に関する措置等を講ずるに当たって、職業能力開発促進法についても適用があることを認識し遵守しなければならないこと

職業能力開発促進法は、事業主に対し、雇用する労働者に必要な職業訓練を行うとともに、労働者が自ら教育訓練等を受ける機会を確保するために必要な援助等を行うよう努めなければならないと定めています。

事業主は、職業能力開発促進法がパートタイム・有期雇用労働者にも適用されることを認識し、これを遵守していく必要があります。

② 職務の内容や成果等を公正に評価して昇給に反映する等、公正な評価に基づき賃金を決定することが望ましいこと

パートタイムや有期雇用労働者の賃金を決定する際は、職務の内容、職務の成果、意欲、能力または経験その他の就業の実態に関する事項を公正に評価し、昇給に反映する等、公正な評価に基づき決定することが望ましいことに留意する必要があります。

たとえば、パートタイム・有期雇用労働者と通常の労働者との間で共通する職務等に応じ、共通する賃金制度または評価項目を設けることなどが考えられます。

③ パートタイム・有期雇用労働者の過半数を代表する者は、次のいずれにも該当する者とすること

(1) 労働基準法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと

(2) 法第7条の規定により意見を聴取される者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって、事業主の意向に基づき選出された者でないこと

パートタイム・有期雇用労働者に関する事項について就業規則の作成・変更を行う際には、法第7条に基づき、各事業所において雇用するパートタイム・有期雇用労働者の過半数を代表する者(パート・有期過半数代表者)の意見を聴くように努めなければなりません。

④ 過半数代表として正当な行為をしたこと等を理由として不利益な取扱いをしないようにしなければならないこと

これまでも不利益な取り扱いは禁止されていましたが、表現が少し変わりました。

⑤ 過半数代表が事務を円滑に遂行することができるよう必要な配慮(事務スペース・事務機器の提供等)を行わなければならないこと

⑥ 物品販売所、病院、診療所、浴場、理髪室、保育所、図書館、講堂、娯楽室、運動場、体育館、保養施設、駐車場等の施設の利用に関する便宜の供与の措置を講ずるように配慮しなければならないものとすること

パートタイム・有期雇用労働者の業務が適正かつ円滑に行われるようにするため、福利厚生施設の利用に関して、パートタイム・有期雇用労働者に対し、便宜の供与の措置を講ずるように配慮する必要があります。

⑦ 法第13条の正社員転換推進措置を講ずるに当たっては、通常の労働者への転換のための制度を設けるとともに複数の措置を講ずることが望ましいこと。また、面談やメール等の活用により、パートタイム・有期雇用労働者の意向を確認し、意向に配慮しなければならないものとすること

パートタイム・有期雇用労働者の正社員等への転換を推進するため、法第13条各号の転換推進措置を実施する際には、次の点に留意する必要があります。

(1) 正社員等への転換のための制度を設けるとともに複数の措置を講ずることが望ましい。

(2) 労働契約の更新の際の面談等の機会を利用し、または電子メール等を活用すること等により、正社員転換推進措置の対象となるパートタイム・有期雇用労働者の意向を確認し、その意向に配慮する必要があること。

⑧ パートタイム・有期雇用労働者に待遇の相違の内容等を説明するに当たっては、「資料を活用し、口頭により説明する方法」又は「説明すべき事項を全て記載した短時間・有期雇用労働者が容易に理解できる内容の資料を交付する等の方法」によるものとすること

また、資料を活用し、口頭により説明する場合には、説明に活用した資料等を交付することが望ましいこと。さらに、交付することが困難な場合であっても、パートタイム・有期雇用労働者から事後に求めがあったときは当該資料を閲覧させる等の工夫をするように努めるものとすること。

パートタイム・有期雇用労働法では、正社員とパートタイム・有期雇用労働者との間で待遇差がある場合、事業主は、パートタイム・有期雇用労働者から求めがあれば以下の内容について、説明しなければなりません。

(1) 待遇差の内容や理由

(2) 法第6条から第13条までの措置を講じるに当たって考慮した事項

⑨ 法第14条第2項の規定による説明の求めがない場合であっても、労働契約の更新の際等に、待遇の相違の内容等について容易に理解できる内容の資料を交付することや、待遇の相違の内容等について説明を求めることができることを周知すること等が望ましいこと

⑩ 雇用管理の改善等に関する措置等を講ずるに当たっては、パートタイム・有期雇用労働者との話合いの機会を設けること又はアンケートを実施すること等により、意見を聴く機会を設けるための適当な方法を工夫するように努めるものとすること

⑪ 事業主は、通常の労働者への転換制度の内容、転換実績等に関する情報をパートタイム・有期雇用労働者に明示するよう努めるとともに、公的機関のウェブサイト又は自ら管理するウェブサイトへの掲載その他の適切な方法により定期的に公表することが望ましいこと

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今回は、事業主が講ずべき短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置等についての指針についてみてきました。

これまでよりだいぶ細かい内容まで指針に盛り込まれましたので、2026年10月に間に合うように準備を進めるようにしましょう。

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